第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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)ネジを盾代わりにしていた為に攻撃を受けていないはじめの方が優勢とも言えるかもしれない。いや、盾代わりにした為に柔拳を一発受けていたのだが。
「雷槍!」
水車輪を相殺され、手裏剣が地面に落下する。更に数本がはじめを襲ったが、はじめはそれを体を捻って交わすなり、起爆札を貼り付けた手裏剣を投擲する。普通はクナイを使用するのが相場だが、あえて手裏剣にしたのはなんとなくクナイがいやだったからだ。そしてそれがいやだったのは多分――姉に、一文字初に焼いたクナイを押し付けられたからだろう。思い出すだけで背がちりっと痛んだ。
「なんだよカイナとケイはちゃんとやってたの!? コイツ体力満タンじゃん!」
「……先輩のお陰でな」
喚くクゥに向かって小声で呟きつつ、水球をぶっ放した。集中雨槍の所為で相殺されかけるが、チャクラを更に行使して雨槍を乗り込み、クゥのチャクラを取り込んで更に巨大化した水球をぶつける。な、と驚きの声をあげるクゥに向かって思い切り水球をぶつけ、そしてカイの目の前に回りこんだ。くるか、とカイが構え、クゥが援護の槍ノ雨を使用するも――
「一文字流・声東撃西――口寄せ・似之真絵!」
親指の皮膚を噛み切って地面に当てる。途端に地面から現れた一本の刀――「似之真絵」を振り回して、そしてそれをサンカの左腕めがけて振り下ろした。
「っ、うわああああああ!」
紅色の霞が霧散し、リーが地面に着地する。泣き叫びながら地面に蹲るサンカとあくまで無表情なはじめを驚いた顔で見比べながら、「はじめくん……?」と恐る恐る問いかけた。
視線の先に、地面に落ちたサンカの左腕。血がぼたぼたと流れ、サンカの顔は汗と涙でぐちゃぐちゃになっていた。
「っ、サンカぁ!」
クゥがサンカに飛びつき、その体をゆすった。はあはあと喘ぎながら、サンカは立ち上がった。ぼたぼたと血が垂れる。足がガクガクと震え、そしてサンカはクゥによりかかった。
「……あたし、やっぱ、向いてなかった、の、かなあ……っぐ……!」
だめよ忍者なんて。
音隠れ? そんなのやめなさい。
そんな両親の反対を押し切って音隠れに赴いたのは他でもないサンカだった。最初は「サンカちゃんは凄いね」くらいで済まされていた怪力が、「バケモノ」にかわったのはいつのことだろう。
岩隠れを出たことについては後悔していない。何故ならその後間もなくサンカの住んでいた地帯で爆発が起こったからだ。両親と離れたことについての後悔はしたけれど、サンカは音に逃れたお陰で死なずにすんだのだ。
だから大蛇丸に従うと決めたけれど、所詮自分は呪印すら与えてもらえない下っ端だ。いつだって捨てられる、だからこそ頑張ってきた、つもりだったのに。
「先
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