第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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ったね!」
構えをとったリーに向かってにやりと笑顔を見せると、サンカは右腕を時計回りに回した。その顔はいままでの好戦的な表情とは違い、穏やかで、けれど勝ち誇っているようにも見える顔だ。
ふんわりと、赤い霞が周りに蔓延り始めた。
「私にこれを使わせたのはあんたが始めてよ……光栄に思うことね。秘術・紅霞の術」
霧隠れの術の色違いバージョンか? とも思ったが、違う。この霞は彼女のチャクラなのだ。霞のように形を換えたチャクラ。
そしてリーは突如その危険さをしった。
「なっ、」
「紅炎圧掌!」
サンカの声が聞えたかと思いきや、チャクラの霞がぐうっとリーを地面に押し付けた。紅色の霞が掌のような形になっている。
術者たるサンカのチャクラを外に向かって放出し、相手を取り囲む。そして自らのチャクラを操作して相手を攻撃する――なるほど秘術といわれるだけのことはある。なんとも恐ろしい技だ。
「っぐ……!」
そのあまりの圧力に捻り潰されそうになる。体を捩って必死に抵抗するリーだが、真っ赤な掌は力を緩めようとはしない。
ただその威力はまだサンカが素手で殴りかかってきたほどのものではない。もしサンカのチャクラコントロールが完璧なものならこれはかなりの脅威だろうが、サンカはチャクラコントロールを余り得意としていないようだ。素手の彼女の方がまだこれより強いのがその証拠だし、それにこの術には致命的な欠点がある。
それはチャクラを霞に変換して随時外に放出しているということだ。サンカの疲れも並みではないし、これはクゥの槍ノ雨よりも更に体力を消耗する技だろう。
「っまけま……っせんよ、!」
「強がってんじゃねーよオカッパ!」
クゥもサンカも、スタミナやチャクラ量などには構わず力ゴリ押しするタイプらしい。相手を倒す為ならチャクラの節約も技の出し惜しみもせずに、破壊力と威力を重視してつっかかってくる。
「赤丹縄!」
チャクラの霞が縄のようにリーの手足を掴んだ。成る程こういうやりかたもあったか。がつんと腹にサンカの拳をもろに喰らって血を吐き出す。
そうもたないはずだ。チャクラ量がさして多いわけでもないし、このような使い方は消耗がかなり激しいはずだから。
〈何の用だ、小娘。――いや、小僧、か?〉
ケイを相手に扇子を振るいつつ問いかけてきたのは犬神笑尾喇だった。笑尾喇の後ろに立ち、はじめはクゥとカイに向かって印を結んだ。
「お前が傷付けられた所為でユヅルが傷付けられないないようにだ。――水遁・水車輪!」
幸いクゥの方はかなり消耗しているようだ。カイも全く消耗していないというわけではないだろう。なら、ほぼ(情けないことだが
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