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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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、その方がかっこいいではないか。

「じゃー君に質問。食中毒と白目っ子と同じ熱と、どっちがいーい?」
「食中毒に決まってんだろうがボケェ! 食べながら死ねるんだぞ! それ以上の幸せがあるか!!」

 見当違いな答えを出して手裏剣を二枚投擲する。更に二枚。走りながら、カイナを囲うように手裏剣を投擲する。これでよし、と心中呟いて、マナはニヤリと笑った。

「さあ、これくらいでいくか!」

 右手に握ったクナイに結わえ付けられたワイヤーを二本、軽く弾いた。
 頑丈なワイヤーとは言え、結び付けられたのはクナイでなく手裏剣だ。手裏剣は四方が刃となっている為に、必然的にワイヤーはマナの投擲の仕草だけでも損傷していくことになる。それら全てのワイヤーを結びつけたもう一本のワイヤー――マナの右手に握られたクナイに結び付けられたワイヤーにチャクラを流し込んでそれがギリギリ切れないように維持していたのだ。
 だからクナイのワイヤーを軽くはじくのと同時に、いとも簡単に四枚の手裏剣についたワイヤーの内二本がぷつんと切れた。燃え上がった起爆札が二枚爆発。それを目くらましにカイナの懐にもぐりこむ。紅丸が気付くといいのだけれどと願いながらまた二本弾くと、臭い球と煙り球がそれぞれ爆発する。臭い球というのは忍犬でないと嗅ぎ分けられないという、追跡ようのものだ。例えば戦闘が起こって味方側が倒れたり相手が逃げようとした時に相手に投げつけるとそれは音を立てずに爆発して臭いをつける。持続性が高いので一週間ほどたってから追跡するのでも余裕だ。

「わんっ」

 何かの気配が弾丸のように自分の傍を通り抜けていく。その弾丸――赤丸の胴に結わえ付けられたワイヤーを結びつけた左手のクナイを握り締めて、紅丸の後を追った。紅丸が方向転換したその時にカイナの左腕にクナイをつきたてる。ぐるぐると紅丸がまるで尻尾を追うかのようにカイナの周りで回り始めたことがわかった。煙りが晴れ、左腕から血を流すカイナが見つかる。

「食中毒にならねーで残念だったなァ病気男!」
「……熱出させたほうが早かったかな」

 溜息をついて、カイナが反撃に出た。全身でマナにぶつかると、地面に這い蹲ったマナがそこに蹲る。しかし聞えるべき咳きの声は一切聞えてこない。気絶したのだろうか。思いながらその姿を見つめていると――
 咳き一つないままに彼女が立ち上がって、にやりと笑って見せた。

「どうした、ネジ先輩に使いすぎてチャクラ切れか? アタシにテメエの術は通用しねえみてーだなあ」
「……な、なんで」

 チャクラ切れなんてことがあったら自分が真っ先にしっているはずだ。
 カイナは疫鬼。そして疫鬼は病によって死んだ人間の怨霊からなる――食べ物を目前にして死んだ犬神のように。ただそれにチャクラで形成さ
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