第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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たぞ! いやーはっはっは、ゲンマよ、出番を奪ってしまって悪いなあー!」
「……いや、別にいいんだが……」
呆れた声で答えるゲンマ。
かくして三班と九班は火影室を離れた。
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「さて、これからどこ行くんだ?」
マナの尤もな質問に、ユヅル、テンテンが「全く考えてなかった」という顔をする。リーが期待に満ちた顔でガイを見た。はじめがぎぎぎぎぎと首を動かしてハッカを見る。
「ネジ」
「――わかっている。白眼!」
かっと見開かれた大きな白目の近くに浮んでいるのは血管か神経か筋肉か。ネジの視界が一瞬で白へと変じた。すうっと遠くへ目を走らせる。任務中の木の葉の忍、修行中の下忍か中忍、そして――
「終末の谷に他国の忍がいる。何かしらの封印がつけられた巻き物を持っているようだから、あいつで間違いないだろう」
「外見の特徴は?」
「……スリーマンセルだ。ウエーブした髪の男と、ツインテールの女、それからセミロングの男。額当ては……音符か。どうやら最近田の国に出来た音隠れとかいうマイナーな隠れ里だったな」
「あれ、そう言えばなんか人減ったような……」
「むっ、我が青春の盟友ハッカはどこに――?」
「どうせ“ふはははははは! この私に追いつけれるものなら追いついてみるがいい!”みたいなノリで高笑いしつつ全力疾走しちゃったんだろ?」
呆れたように溜息をついてから、マナは完璧にハッカの口調を真似てみせる。ハッカはつい昨日そういいつつ目にも留まらぬスピードでゴミ拾いを完成させ、“私の勝ちだな”、ニタリと笑っていたのだ。あまりにその声真似が似ていたのでユヅルは思わず吹き出し、樹上から落下しかけたのをリーに捉えられた。テンテンが顔を紅潮させて笑っている。ネジはくだらない、というような表情で、はじめは相変らず無感動だ。
「おお! ハッカは昔からかけっこが得意だったからな!」
とガイは思い出に耽り始める始末だ。
……というか、担当上忍が下忍に成り立ての生徒と駆け比べするもんなのか? という突っ込みは心の内にとどめておくことにした。
「……どうやら追いついたようだぞ」
ネジがぽつっと呟いた。ハッカが奴らに追いついた、ということらしい。ガイは流石ハッカだ! と目を輝かせ、リー諸共恐ろしくスピードアップしった。ネジもすぐさまそれに追いつき、はじめもそれを追おうとスピードアップする。ユヅルとテンテン、マナは後ろで追うしかない。
「マナ!」
はじめの声に頭を上げると、はじめの手の中に干し肉があった。きらーんとマナの目が輝き、ユヅルとテンテンの腕を掴むないなやその肉を追って全力疾走を始めた。チャクラが活性化している。紅丸が心地悪そうにマナの頭にしがみついていた。
あっという間に追いつかれ
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