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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
1−4
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のは人間にも異形な外見の忍びがいるために対して気味悪がられはしないし、雨降り小僧のクゥは体が成長しないという点以外は普通の人間とかわらない。
 そんな時蓮助が田の国音隠れへ一部の妖達を誘った。大蛇丸という男にその力を買われ、カイナ、ミソラやクゥもついていくことになったのだ。

「知るかっ、唾液弾!」

 どうやらマナの食遁での攻撃手段は相当に少ないらしい。そうでなければ今のところこれが最強なのだろう。最強がこれであればカイナとしてもやりやすい。チャクラ量がさほど多いわけではない破銅爛鉄で相殺できるし、カイナの最強もそれというわけではない。

「君もメンドクサイよねえ。巻き物取り戻したら取り戻したでさっさと帰っちゃえばいいのに」
「うるさい! やられたらやりかえすのがアタシの忍道だ! いや違った、“自分に降りかかってくるキノコは自分で食べる”だった!」

 大声で言い放った癖して自分でそれを訂正する。キノコォ? と眉根に皺を寄せて、カイナは両腕を前に突き出した。

「……とりあえず、こういうこと?」

 病遁・紅天狗。
 白いイボの生えた毒々しい赤の、典型的な毒キノコ――ベニテングタケが恐ろしいのスピードで地面から生えてくる。じめじめと空気中に湿気が増えた。

「気ィつけろよ食遁使い」
「っひ!」

 マナの右足に毒々しいベニテングタケが生えていた。マナがそれを見つけたのが合図かのように、急速にベニテングタケがマナの体ににょっきにょっきと生えていく。顔すらも覆っていくそれを恐怖に歪んだ顔で眺めながら、マナはそれが自分の肌から生えているという事実に悲鳴をあげた。

「どーした。自分に生えるキノコは自分で食べるんじゃなかった?」
「違う、“降りかかる”だ!」
「あっそ。ま、俺にはどーでもいいけどね」
「うわああああ! きめぇ離れろぉー!」

 狐者異の一族の例に漏れず胃が丈夫な為に吐いてはいないが、常人なら朝飯も胃液も全部吐き出してしまうレベルだ。見ているだけでも胃が気持ち悪いのに、本人であるマナが吐かないのはかなり凄い。

「つーかベニテングタケってよくわかったなぁ。一般人は大抵毒キノコだぜ」
「アタシの食物に関する知識をなめんじゃねー、うわーなんだこれ毟っても毟っても生えてくるぞニキビみてーに!」

 ベニテングタケを引っこ抜きつつマナが絶叫する。引っこ抜いた傍から生えてくるのでうざいこと極まりない。やっと潰したと思ったニキビがニキビ跡地より再び生まれ出てくるのと似ていないでもない。
 気持ち悪くてしかたないこの技も冷静に見ればギャグでしかないのが悲しいところだ、とカイナは肩を竦める。おどろおどろしさとか、おぞましさとか、そういうのが皆無なのだ。別にそれがなければいけないというわけではないけれど
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