第百六十二話 下賜
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補されるわ」
テレーゼの話に三人が驚く、そしてメックリンガーが危惧を述べる。
「殿下、我々は、平民出身です。その様な者が正規艦隊司令官になる事など、軍上層部が黙っていないでしょう。小官の知る限りでは、平民や下級貴族が正規艦隊司令官に成るのは、第二次ティアマト会戦時のコーゼル大将以来の事では無いでしょうか、その様な事をすれば、殿下にご迷惑をお掛けする事に成ります」
メックリンガーの話にミッターマイヤーもビッテンフェルトも事情を知り心配そうにテレーゼを見る。
「メックリンガーの危惧も尤もね、けどね今回の事は、エッシェンバッハ、エーレンベルグ、シュタインホフは元より父上もリヒテンラーデ侯も賛成しているわ。あれほど大言雑言を言ったフレーゲル達がどうしようも無い事ばかりして、無駄に将兵を失わせた。これじゃ、皆が浮かばれないわ、其れだからこそ、兵を少しでも生かせる提督として卿等を推挙したのです」
皇帝陛下は元より国務尚書、帝国軍三長官が賛成しているとなれば、断る事も出来ないと、三人はお互いを見合いながら意を決し、片膝を着いて、テレーゼに頭を垂れ、宣言する。
「「「御意にございます。我等三人、殿下と陛下の為に将兵の無駄死にをさせぬ事を誓います」」」
「ミッターマイヤー、メックリンガー、ビッテンフェルト、頼みました」
「「「御意」」」
それが済んだ所で、今まで黙っていたケスラーが話し出す。
「さて、殿下より賜る艦だが、ミッターマイヤーにはレギンレイヴ、メックリンガーにはヘルフィヨトル、ビッテンフェルトにはゲイルスケグルだ、それぞれ艦名を決めておくようにしてくれ」
「「「はっ」」」
下賜された戦艦を見ながら、三人は殿下のより一層の忠節を尽くそうと心に決めたのである。
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