第百六十二話 下賜
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前日の豪勢な食事とは行かないが、時間を区切っての飲酒が許可され、5月21日、オーディンへ着く頃には、一般兵達はすっかり悲壮感がなりを潜めていた。尤もシェーンコップ達は油断無く神経を尖らせていた。
シェーンコップ達ローゼンリッターや帝国からの亡命者の子弟や末裔などは、同盟人とは別の場所へ移され、尋問を受ける事と成ったが、何れの尋問も高圧的でも暴力的でもなく、尋問を受けた本人達が拍子抜けするほどであった。
シェーンコップとリンツは、尋問でローゼンリッター責任者として敬意を持って対応された、尋問は形式的な物でしか無く、直ぐに一時収容所へ送られたが、2週間後にある人物の訪問を受ける事で、さしものシェーンコップも息を呑む事に成るのである。
帝国暦485年5月21日
■銀河帝国 オーディン 軍事宇宙港
5月21日遠征軍は、皇帝臨御の中、オーディンへ帰還した。
その後、准将以上の者は、エッシェンバッハ元帥に率いられ、皇帝フリードリヒ四世に拝謁し今回の戦闘について報告した。
その後、陛下よりエッシェンバッハ元帥に双頭鷲勲章の授与が内示されたが、元帥は不手際で多くの兵達を無駄に失ったとして辞退し、陛下も辞退を承認した。
その為、司令部要員の昇進は行われたが、司令部将官の昇進はごく一部に限られた、そのごく一部とは、約一ヶ月後の6月26日にラインハルト・フォン・シェーンバルトが大佐から一気に少将へ特進した事であった。
ラインハルトの昇進は臨時で准将になっていた事と、アンネローゼが誕生日プレゼントに弟の昇進を強請ったと言う事が、軍や貴族の間でまことしやかに流れたのである。実際には丁度アンネローゼの誕生日だったため、テレーゼが、ケスラー艦隊各員の昇進をラインハルトの昇進の話で煙に巻くために、仕込んだのであるが、噂好きの貴族や、昇進出来なかった連中にしてみれば、事実と感じられたのである。
そして、フレーゲル達は叱責され階級はそのままで暫く兵站統括部の輸送船団に配属され修行させられるのであった。本来であれば、あれだけの失敗であるから死罪の可能性も有ったのであるが、未だ未だ使い途があると言うテレーゼの言葉で頸が繋がったのであるが、本人達は、ラインハルトだけが出世したと益々、憎悪を深めるのであった。
帝国暦485年6月1日
■銀河帝国 オーディン 皇帝専用造船工廠
オーディンの皇帝専用造船工廠では、テレーゼに呼ばれた、ミッターマイヤー少将、メックリンガー少将、ビッテンフェルト少将が集まり、テレーゼの侍従武官ランセル中尉によりドックへ案内されて来た。
三人がドックへ着くと、ケスラー中将をお供にしたテレーゼが現れた。
「皆、今回は御苦労様でした」
「「「御意」」」
テレーゼか
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