動乱
剣のバカ
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み体当たりを食らわす。
イスマイルは一瞬よろけるもののアレンの追撃を防ぐ。
ここからイスマイルの笑みはなくなり攻撃が激しくなる。
アレンは防戦一方になり押され始めた。
イスマイルの攻撃は早く正確で隙がない。
下手な攻撃をすれば一瞬で勝負がついてしまうだろう。
しかしアレンは諦めない。
ギリギリのところで粘り徐々にイスマイルの速度に対応できるまでになってきた。
焦ったのはイスマイルである。
アレンが戦闘中にどんどん成長していくのが手に取るようにわかるのだ。
育てる楽しみと追い抜かれる恐れとが入り雑じり一気に勝負をかけようと攻撃を止め構えに入る。
アレンもそれを感じとり最後の一撃に全力を注ごうと構える。
両者の視線が絡み合い二人が同時に右足を踏み出した。
が、左足が地面より生えた蔦に絡めとられ二人とも前のめりにずっこけた。
「あんた。ええ加減にしなさい」
「アレン、そこまでよ」
年上の女性とアーニャによる魔法、スタラックだ。
「あ、あぁ。夢中になっていたようだ」
イスマイルは起き上がりながら アレン殿すまない と謝る。
アレンは倒れたとき顔面からいったのだろう鼻血の処理をしながら笑う。
「楽しかったです。ありがとうございました」
鼻血処理のハンカチを渡したのはもちろんアーニャだ。
「うちの旦那が悪かったね。これは癖またいなもんでさ。悪気はないから許してやってね」
女性はそう言うとアーニャを手招きし少し離れたとこで何やらコソコソ会話している。
アーニャは恥ずかしそうにしたと思えば真剣になったり笑ったり忙しい。
イスマイルはこの隙にいそいそと部屋へ戻っていく。
アレンはぼーっとそれらを眺め鼻血が止まるのを待っていた。
アーニャが覗きこむようにアレンの鼻血が止まったのを確認している。
「よかったわね。あんたの低い鼻がさらに低くならなくて」
「アーニャありがとう。ハンカチは新しいの買って返すよ」
「それエルフ製品だからあんたに買えるかしら」
「が、がんばるよ」
二人は立ち上がり部屋へ戻っていった。
そして仕切り直し。
手合わせ前の状態まで戻るとイスマイルが話し出す。
「アレン殿はお強いですね。納得できましたよ」
「何に納得したのさ?」
ハテナが浮かぶアレンの上からアーニャが問う。
イスマイルはそれを華麗にスルーする。
「あーそうか。エレナも入るよう言ってくれ。代わりにイザック、頼む」
イザックが出ていき代わりにエレナが入ってきた。
そしてアーニャの隣に並ぶ。
「アレン殿、ゲラド様より手紙を預かっている。これを直接渡さなくてはならなかったんだよ」
アレンはお礼を言い手紙を受けと
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