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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百十二話:福引きを極める
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ること九十九個、ゲームならば数値がカンストするところで、とうとう福引き券が品切れとなった模様。

「……あ。ごめん。今ので、福引き券が無くなったみたいだ」
「え、そうなんですか。ごめんなさい、少し買いすぎてしまったかしら……」

 全くそんなことは思ってませんが、申し訳なさそうな表情を作って謝る私に、お兄さんが爽やかな笑顔でフォローしてくれます。顔色は真っ赤ですけれども。

「いいんだよ!お客さんに渡すために、あるものだからね!そんなこと、気にしなくっても!」
「そうなんですね!よかった!それじゃ、私はこれで。どうもありがとうございました!」

 福引き券が無いならひとまずもう用は無いので、いい笑顔を見せてさっさと立ち去ろうとする私を、お兄さんが焦って呼び止めます。

「あ、ま、待って!」
「なんでしょう?」
「え、えーと……!その、君……名前、は?」
「……え、えっと……初めてお会いした男性に、いきなり教えるのは……」

 また頬を赤らめて、俯いて恥じらう私。

 別に名前くらい、教えてもいいんですけれども。
 教えるだけでは済まなそうなので、できれば誤魔化していきたい。

「な、なら!……また、会えないかな?また、来てくれよ!」

 必死に食い下がるお兄さんに、しばし戸惑った様子を見せて。

「……はい……。旅の、途中なんですけれど。もしも、また立ち寄ることがあれば。……きっと、来ます……」

 俯いた状態からの上目遣いで、恥ずかしそうに微笑みながら答える私。

 お兄さんが目を瞠り、真っ赤になって口元を押さえ、顔を逸らします。

「そ!そうか!それじゃ、また!待ってるよ!!」
「はい。……それじゃ」

 最早こちらをまともに見られないお兄さんに最後の言葉をかけ、背を向けて店を後にします。
 背中に、お兄さんの熱い視線を感じながら。

 ……うん、ごめん。
 もう、来ない。
 買い物の用事はまだあるんだけど、誰かにお使い頼むと思う。

 ごめんね、福引き券だけが目当てだったの!
 悪い女に引っ掛かったと思って!
 気付かなければ、綺麗な思い出にでもして!
 私のことは、忘れてください!!


 とか思いながら店を出たところで、今までおとなしくしててくれたコドランが口を開きます。

「ちぇー。なんだよ、アイツー。デレデレしちゃってさー。おいらたちのドーラちゃんなのに、ベタベタしやがってー」
「いやいや、私がそうさせたようなもんだから。そう、悪く言わないでよ。しつこくなかったし、いい人だったじゃない」
「……ドーラちゃん!手、汚れたから!早く、キレイにして!あの、キレイキレイってヤツで!」
「いや……そこまで……いや私も実は思ってたけど……。ちょっと、ベ
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