喪失編
八話
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かる。
「流石に海軍を仲間にするのは無理がある.....仲間には出来ないが、せめて血だけは吸っておくか」
煉瓦壁で倒れているスモーカーへと近付き、首に指を食い込ませる。
やはり悪魔の実の能力者の血は段違いに馴染む。
力が溢れてくるようだ。
「これくらいで充分か」
ある程度吸い取った後、スモーカーから手を離した。
殺しはしない。
どのみちもう会うことはないだろうし、無駄に殺す事もないだろう。
それに俺は賞金首、自分から賞金額を上げるような馬鹿をしたくもないし、面倒ごとを増やす必要もない。
色々と言ったが、いずれにしろ殺す程驚異でもないという理由が大きいが。
「DIO様。終わりました」
振り向くと恭しく膝を付き、平伏するアーロンがいた。その後ろには魚人ゾンビと目を回した海兵達が倒れていた。
俺の言葉は守ったようだな。
「殺しは?」
「しておりません。あくまで峰打ちです」
「そうね。確かに殺してないわ。私も見てたわよ、DIO」
薄暗い路地からロビンが現れた。
どうやらそこから俺達と海軍の戦いを見物していたようだ。
普通なら叱責する所だが、ロビンはあくまで部下ではなく、協力者。それにロビンとしては自分が出る必要がないと判断したのだろうと納得し、当初の予定を進める事にした。
「ロビン、必要な物は買い終わったか」
「ええ、いつ出ても問題ないわ」
「なら出港だ。海軍が追いかけてくる前にグランドラインに出る。急げ」
俺はそう言って、船に向かって走る。後ろからはアーロンに続き、魚人ゾンビ、ロビンの順で付いてきている。そろそろ見えてくるか。
「帆を上げ、出港の準備を頼んだ。アーロン」
「かしこまりました」
アーロンが魚人ゾンビ達に指示を飛ばし、船の準備を始めた。
それからしばらくして、息を切らせたロビンが船に戻ってきた。どこか不満そうにこっちを見上げる。
「少しくらい合わせてくれてもいいんじゃないかしら?」
合わせる、というのは恐らく走った時の事だろう。
話を聞く限り、どうやら自分だけ置いてかれた事に不満のようだ。
その事に気付いた俺は敢えて刺激しないように言った。
「急げとはいったが、船の準備が完了するまでに着けば問題はない。準備には少なくとも30分はかかる。お前も知っているだろう」
「それでも少しくらい.....はぁ、もういいわ」
ロビンは納得、してはいないだろうが、頷くと船室に入っていった。
冷えるのだろう。
今は深夜、それも海の近く。長時間居れば、風邪を引くくらいに寒い。
だが、吸血鬼には病も老いも関係はないが。横で作業しているゾンビ達も同様に。
「出港準備が整いました。DIO様」
いつ
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