喪失編
八話
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「ホワイトブロー!」
吸血と同時に吸血鬼のエキスを流し込む筈だったが、突然煙のようなものに寸前で阻止された。腕を交差させ、防御するも横凪ぎに吹っ飛ばされ、煉瓦の壁に激突した。
その衝撃で擦り傷程度の怪我を負ったが、その程度なら吸血鬼の能力ですぐに自己再生されたので特に問題ない。それよりも今は目の前の男だ。
俺は瞬時に立ち上がると突然の乱入者に視線を移した。
「てめぇ、俺の部下に舐めたことしてんじゃあねぇぞ」
「す、スモーカーさん!」
そう言った男は背中に背負っていた十手を巨大化した武器を構えた。
白のジャケットに口には葉巻、何より強面の顔と傷がどう見ても堅気には見えない。
たしぎを助けた辺りで仲間という事は分かったが。
「悪魔の実の能力者か。煙とは珍しい.....そして、今の発言で恐らくたしぎの仲間、つまり海軍関係の人間......俺を捕まえに来たのか?」
「下らねぇ質問してんじゃあねぇ、海賊。俺の管轄で好き勝手暴れた上、部下をここまでされてただ捕まえると思ってんのか?てめえは」
「なるほど、たしぎの仇討ちをしようと言う訳か」
能力者にしては随分仲間思いな男だ。
いや、違う。人外な能力者を持っていても、この男は‘’人間‘’だからか。
結局悪魔の実の能力者は化物の力を持っているだけの人間で、それでいて化物と呼べない中途半端な存在だ。
「何馬鹿みてェに突っ立ってやがるッ!」
スモーカーと呼ばれていた煙の能力者が下半身を煙に変え、向かってくる。片手を距離を図るかのように前に出し、もう一方の腕に持った長刀のような十手を横殴りに振り払った。
それを吸血鬼の身体能力で大きく後ろに跳躍し、かわすとナイフを数本投げる。
カツカツッ!
一直線に放たれたナイフはスモーカーを貫通し、後ろの煉瓦の壁に音を立てて地面に転がった。だが、スモーカーは涼しい顔で十手を肩に担ぐように構えている。
スモーカーの方を見るとうっすら笑みを浮かべ、こっちを見返してきた。
「分かったか?海賊。てめえじゃあ俺を殺すどころか傷ひとつ付けられねェ。俺の悪魔の実の能力は体を自由自在に煙に変えられる。どれだけてめェの力が強かろうが、実体の無い煙相手じゃあ何の役にも立たねェんだよ」
「体を煙に、か。厄介な能力だな」
だが、策が無い訳でもない。
確かに煙相手に攻撃をしても、すり抜けるだけで結果は分かりきっている。だが、スモーカーはあくまで人間であり、実体は存在している筈だ。
つまりスタンドのようなモノだと考える。
スタンドは同じスタンド使いにしか倒せないように、悪魔には悪魔でしか倒せないように。
なら、スタンドは悪魔をがあっても可笑しくはない。
そんな俺の考えとは裏腹にスモーカーはジャ
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