TURN101 偽帝その十一
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「無事に」
「じゃあ記者の人達と一緒に宮廷に入ってだね」
「この国の皇帝への取材という名目で」
記者に化けそして入りというのだ。
「入りまずは宮廷を占拠し」
「宮廷からテレビで枢軸諸国に放送してだね」
「日本を共有主義にします、そして他の枢軸諸国もです」
盟主である日本が共有主義になる、そこから一気にだというのだ。
「赤く染め上げましょう」
「お友達が一気に増えるね」
ロシアはこう考え明るい笑顔になった。
「いや、僕も嬉しいよ」
「ご期待下さい」
ゾルゲもそのロシアに微笑んで述べる。
「祖国殿に大勢の友人が出来ます」
「嬉しいよね。僕本当にお友達が欲しいんだ」
ロシアのささやかな願いである、しかも切実な。
「だからね、いてくれたらね」
「はい、だからこそです」
「皆が一緒になればいいのにね」
こんなことも言うロシアだった。
「その為にもね」
「はい、それでは」
こう話して笑顔になる二人だった、そして。
こんどはベラルーシがゾルゲにこう言って来た。
「それでなのですが」
「はい、今から出発します」
「戦闘員も来ていますので」
ベラルーシが話すのはこのことだった。
「彼等もですね」
「活躍してもらいます、この星も占拠します」
「その為に彼等を呼び」
「もうクローン人間は来ているでしょうか」
「リョウコ=バイラーが」
この名前が出た。
「来ています」
「リョウコ=バイラーですか」
「御存知でしょうか」
「どういった者か知りません」
それは彼も知らないというのだ。
「ですが博士が造り上げてくれたクローンですね」
「はい、そうです」
「それなら大丈夫です」
少なくとも博士のその才は認めているゾルゲだった。もっと言えば彼は博士の人格は全く考慮してはいない。
「では今からです」
「宮廷に潜入してですね」
「革命を起こしましょう」
こう言ってすぐに変装に入る、ロシア達もそれに続く。
枢軸諸国にとって思いも寄らぬ奇襲が迫っていた、彼等にとって最大の危機が迫ろうとしていた。
TURN101 完
2013・4・10
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