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ヘタリア大帝国
TURN101 偽帝その九
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「国家というか人間というかそこが怪しいところが」
「何だよ、それでかよ」
「はい、けれど確かにフランスさんが人間なら」
 それならというのだ。
「ウナギさんも人間ですね、私やアストロ猫もそうなります?」
「ああ、なる」
 東郷は久重にも言う。
「心が人間ならな」
「そういうことですね」
「それで君の答えを聞きたい」
 東郷はウナギに対してあらためて問うた。
「我が軍に来てくれるだろうか」
「私を人間として見てくれているのなら」
 それではとだ、ウナギも心が動いた。
 そしてだ、東郷にこう答えたのだった。
「喜んで」
「そうか、では所属は日本軍だ」
「枢軸軍の中のですか」
「軍服はそのままで構わない、ではこれからもな」
「はい、お願いします」
 ウナギは微笑んで東郷に応えた、かくしてだった。
 ウナギ=バウラーも枢軸軍に加わることになった、そして彼等はクローンという思わぬ存在のことも知ったのだった。
 その彼等に彼が戻って来た、宇垣はラーゲリに戻り大声で言った。
「わしはまた戻って来たぞ!」
「おっさん、本当にしぶといなおい」
 プロイセンがその彼に驚きの顔で言った。
「また復活するなんてな」
「わしは不死身だ、日本帝国がある限り倒れはせぬ」
 こうその機械の身体で言うのだ。
「この通り何度でも蘇るわ」
「今度は肌が完全に機械化してるね」
 ハンガリー兄は彼のその肌を見て言った。
「そうなったんだね」
「内蔵もだ」
 首だけになったから内蔵もそうなったというのだ。
「今では脳以外は全てそうなっている」
「心臓もですね」
 オーストリアは人体において脳と並ぶ最重要部分について問うた。
「それもまた」
「うむ、心臓も機械になyった」
「やはりそうですか」
「今のわしはその殆どが機械、この身体で日本の為に戦おうぞ」
「喜んでくれていて何よりだ」
 平賀がその宇垣の横から言って来た、やはり頭には久重がいる。
「肉体の回復にはまだ時間がかかるからな」
「それまで待たせてもらおう」
「こうしたクローン技術なら使えるがな」
 やはりソビエトの様には、なのだ。
「それまでは機械の身体でいてくれ」
「充分だ、長官には感謝している」
「私も嬉しく思う、外相の愛国心と帝への忠誠もな」
 その二つもまた、というのだ。
「有り難い、これからも頑張ってくれ」
「そうさせてもらう、だが」
「だが?」
「どうもまた死にそうな気がするな」
 ここでこうも言うのだった。
「どうもな」
「わしは何度死んでも機械として戦場に、外務省に戻る」
 戦う外相としてそうするというのだ。
「だから安心してくれ」
「その心意気に惚れた」
 平賀は誰も気付かなかったが重要な言葉を出した。

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