TURN101 偽帝その三
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「まさかとは思うがな」
「いえ、それはあるわよ」
リディアがいぶかしむダグラスに話してきた。
「ソビエト軍は色々新しいものを取り入れる軍隊だからね」
「潜水艦なりヘリ空母なりか」
「カテーリン書記長が新しいもの好きだし」
この辺りは子供故の無邪気さから来るのだろうか。尚カテーリンは巨大なもの、沢山あることも好きである。
「革命的ってことで何でも新しいことをはじめることがいいことだって考えられてるからね」
「それでか」
「ええ、何かしらの新兵器でね」
それでだというのだ。
「ビームを吸収する戦艦かもね」
「成程な、それを前に出してか」
「楯にしつつね」
「こっちを攻めるんだな」
「そうじゃないかしら」
「有り得るな、じゃあちょっと仕掛けてみるか」
ダグラスはここまで聞いて一つ策を考えた。そのうえで東郷に対してこう言ったのである。
「長官さん、ちょっといいか?」
「ああ、話は聞いていた」
東郷も大和のモニターに出たダグラスに述べた。
「それならまずはな」
「あの艦隊にビーム攻撃を仕掛けるぜ」
「そうしてくれ、敵を知ることも必要だ」
それも絶対に、というのだ。
「だからな」
「あの艦隊には俺の艦隊が仕掛けるがな」
「他の敵艦隊に対してはいつも通りだ」
そうして攻めるというのだ。
「艦載機、そしてビームを放つ」
「了解した」
レーティアがモニターに出て来て応える。
「では今からな」
「ああ、頼むな」
この話もあっさりと決まった、そうして。
枢軸軍はいつもの攻撃にかかった、まずは艦載機を出し。
ビームを放つ、その時だった。
ダグラスは己が率いる艦隊の将兵達に告げた、仁王立ちになり腕を組みそのうえで敵の艦隊を見ながら。
「いいか、今からだ」
「はい、あの妙な敵艦隊をですね」
「攻撃しますね」
「遠慮はするな、ビームをお見舞いしてやれ」
彼が率いる艦隊のそれをだというのだ。
「思う存分な」
「はい、わかりました」
「それでは今から」
部下達も応える、そしてだった。
ダグラスの艦隊はその敵艦隊にビームを放つ、無数の光の矢が銀河の闇を切り裂き敵を貫いた、かと思われた。
しかしそのビームはどれも打ち消されてしまった、何と敵艦に命中したところで全て吸収されてしまったのだ。
ドロシーはそれを見てすぐにこう言った。
「あれはバリアではないわ」
「違うんだな」
「ええ、違うわ」
こうダグラスに言うのだ。
「全くね」
「じゃあ吸収か」
「あの戦艦は通常戦艦ね」
ドロシーはこのことも見抜いた。
「ビーム吸収はないわ」
「じゃあ何で吸収出来るんだよ」
「ビーム吸収はまだ開発されていない技術」
この戦争の中でもだ。
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