美食屋、ネルグ街に転生する!
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
――――――だれかが言った。全身の肉がすべて舌の上でとろける霜降り状態の獣がいると――――――
―――――プリップリで身のずっしりつまったオマール海老やタラバ蟹の身が一年中生る樹があると―――――
――――――琥珀色の上質で芳醇なブランデーがたえまなく湧き出る泉があると――――――
人々は見せられる!未知なる美味に――――――!!
世は【グルメ時代】――――――未開の味を探求する時代――――――!!
そんな時代にとある少年と少女が居た。
名前は『アキト』と『シャルロット』。大天使ヨミエルに転生させられた2人である・・・・・・・。
☆
☆
ここは【ネルグ街】。
IGO非加盟の国で、流通の禁止された食材が平然と出回る無法地帯。
「グルメ犯罪都市」と呼ばれるように治安が悪いうえ、街全体が貧しい。
そんなこの街にこの物語の主人公である彼はいた。
「そこまでだ、クソガキイイィ!!」
「うおっ!?」
「マッチ!?」
絶賛大ピンチ中だったが…。
☆
☆
時は遡ること十年前、大天使ヨミエルによって転生させられることになったアキトはここネルグ街の娼婦の息子に生まれた。
この街はただでさえ貧しいので本来なら子供など抱え込む必要がないのだが、母親は大切に愛情をこめて育ててくれた。彼女の作ってくれたオートミールはとてもおいしいといえたものではなかったが、彼にとってはこのうえない御馳走に感じたものだ。
しかし彼が6歳のとき、無理がたたったためか母親が過労で死んでしまう。この時彼がヨミエルからもらった能力はいまだに大した進歩は見せずに、また完全に能力がそだったとしても病気でも怪我でもない母親は治せなかっただろう。
そして彼は母親と共に過ごした娼館を、転生したすぐ後に母親が見つけた卵と去ることとなった。母親の同僚たる他の娼婦たち、また娼館のオーナーでさえも少年をひきとめたが、彼には探さなければならない人がいた。
『シャルロット』である。
彼と一緒に転生させられた彼女だが、少なくとも少年の目の届く範囲には彼女はいなかった。ネルグ街のいまだに自分が見ていない場所に転生させられた可能性もあるが少なくともこの街にはいないと彼は確信していた。彼女ほどの美貌ならこの娼館に寄こされる可能性が高いと確信していたからである。……まあ単純に彼女の両親がいい人だという可能性も考えられるが。
なのでこれを機に修業をして力
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ