デートの誘い
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間。ライナを掴んだ男が、弾け飛んだ。
+ + +
いきなり吹き飛んだ男に、何が起こったか振り返る。
直後に顎に一撃を受けて、沈み込む。
別の男は足を払われ、腕をとられて、引き込まれる。
関節を逆に押さえられれば、骨の軋む音がした。
「あっ――あああっ!」
腕を押さえて悲鳴をあげる男。
その腕をさらに踏みつけて、男の悲鳴を増加させる。
その大きな悲鳴に、思わず周囲の男達は手を止めて、突然の乱入者を見た。
ライナが小さく目を開く。
変わらず目つきの悪い――金髪の男が、つまらなそうに立っている。
「アレス……アレス・マクワイルド!」
呼ばれた名前に、アレス・マクワイルドは周囲を見渡しながら、息を吐いた。
「俺が巡回責任者の時間に何やってんだ、おたくらは?」
+ + +
アレスは苛立ちを隠せない。
少しでも苛立ちを解消しようと腕を踏みつけている足にさらに力を込めた。男の悲鳴がさらに高まっていく。
周囲にいる男達は、少なくとも多くは学生ではない。
学生は隣に座るライナ・フェアラートとケビン・ウィリアムという男だ。
その手には御丁寧に銃が握られており、何をしようとしていたか明白だ。
「あ、足を離しやがれ」
「なら、お前がかわってやれよ」
一人の男が拳を握りしめて殴りかかる。
男の手を払い、即座に腕を極める。
関節を曲げられた男が小さな悲鳴をあげる間もなく、アレスと視線があった。
「お、おい。おまっ」
言葉が終わる前に、アレスが稼働領域を更に更新させた。
肩がはずれ、腕を一周させた男が悲鳴をあげた。
その情け容赦のない攻撃に、男達が後ろに下がる。
そんな男達に向けて、アレスは唇をあげた。
「おいおい。軍の施設に攻撃を仕掛けてきて、何もされないと思ったのか。お前らの相手をするのは軍人だぞ? 誰か代わりたい奴はいるか?」
脱臼させた腕を更にひねりながら、問いかければ、答えるものはいない。
静かな言葉であったが、それは男達にとっては死の宣告といってもいい。
それは殴る蹴るといった、男達の知っている暴力ではない。
向けられる視線が告げている。
お前らは命をかけるつもりはあるのかと。
助けを求める視線が、一斉にウィリアムに向いた。
視線の先で、ウィリアムが小さく舌を打つ。
「何をしにきたんですか、先輩」
「それはこちらの台詞だ。ウィリアム候補生――学外の人間を連れて、何をしている?」
「デートですよ。先輩――お邪魔です」
「一人の少女を取り囲むのは、デートとは言わんな」
「それは人それぞれですね。それよりも良いんですか、一般人に怪我をさせて。問題ですよ?」
「別に問題はないな。こ
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