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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
パオペエイレブン
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たかったんだろう。でもそこに彼女の居場所も無ければ彼女を知っている人もいない。シグナムにお前は誰だと聞かれたときはさぞ悲しかったろう。「お前の居場所はない」と暗に現実を突き付けられたようなものだから。
でも会いたかった。それは寂しさも有ったろうし、自分だけ仲間はずれになっている現状が気に入らないというのもあったのだろう。だからヤケクソ気味に復讐という知りもしない感情を抱いているふりをして襲撃を仕掛けた。
自分が復讐を遂げるならば家族を全員殺せばいい。だが彼女は明らかに情を捨てきれていない。そもそも誰が家族を本気で殺すことなど出来ようか。殺傷設定だって初代リインフォースに通じないと分かっていたから使えたのだ。では家族と共に過ごすか?いや、ツヴァイには出来まい。家族は皆自分を知らないのだ。本当に彼女が求める家族はそこにいない。未来永劫、いない。
それでも割り切れないから、彼女は体を得ても何も出来ないのだ。ただただ自分の居場所が無いという現実を自身の居場所にするしかない。
―――その原因を作ったのは?この子を不幸のどん底どころか因果地平の彼方にまで送り込もうとしたのは?
「・・・ちがう」
「苗?」
―――自分で怖いだの何だの言いながら、軽はずみに剣を振るった愚か者は誰だ?
「ちがう・・・!」
「お、おいナエ?どうしたんだよ!」
―――いつか取り返しのつかない事になるかもしれないって考えてたくせに自分の都合でそれを使ったのは?
「ちがうちがう!違うっ!!」
「苗殿!?」
「なーう!」
―――本当にこの子の運命を、サイコロを転がすように決めたのは誰だ?
「違う!私の所為じゃない・・・私知らないっ!!」
そんなつもりじゃなかったの。
そんな―――人殺しなんて、するつもりは無かったのに。
彼女は一度消滅した。解釈を変えれば死んだ。何故死んだ?―――私がはやてちゃんの足を治したから?そうじゃないと考えたかったけど、その時に何か起きたとしか考えられない。違うんだと否定材料や言い訳を探すことは出来るけど、それを補って余りある責任の津波が、私の平常心を全て崩してしまったのだ。
銃爪を引いたんだ。蝶の羽を羽ばたかせたんだ。ドミノ倒しのパネルを押したのだ。
それをやったのは、間違いなく―――私なんだ。
それ以外は考えられなかった。私はそのまま、皆の呼び止める声を振り切って家の外へ飛び出した。
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