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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第7話 「久しぶり、白蓮」
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に満ちた人物像で。

 さすがに辟易した曹操が、その人物像に口にしたが最後。
 後は延々と絡まれるのである。

(私としたことが迂闊だったわ……)

 自分のミスを未だに悔しく思う曹操。
 だが、今更後の祭りである。

 ここ数日、延々と続くやりとりに、我慢の限界と顔を見せない諸侯もいた。
 現在残っている諸侯は――

(はやくはちみつ水が飲みたいのう……)
(お嬢様、我慢したら後でおかわりしてもいいですよ)
(やったのじゃ! 妾は我慢するのじゃ!)

 時折、うたた寝しつつも退屈そうな袁術。
 そしてその袁術の客将である。

(またサボりおって、雪蓮のやつ。一日交代だと言っておいたであろうに)

 などと内心臍を噛んでいながらも、表面上はすました顔をしている孫策軍の周公瑾。

 さらに、鮑信・王匡・孔?・劉岱・張?・張超・橋瑁・袁遺・韓馥・朱儁・許?・李旻・崔鈞といった、それぞれ連合の発起の初期に参加を示した諸侯であった。
 だが、それらの諸侯を合わせた兵力は、発起人たる袁紹とその従姉妹である袁術二人の兵力とそう変わらない。

 故にあまり発言権がなく、じっと我慢しながらこの地獄に耐えていた。

 そんな中――久しぶりに天幕の中に新しい人物が顔を出した。

「失礼する…………荊州牧、劉景升、ただ今着陣した」
「まあ! 景升殿!」

 入ってきた劉表に、袁紹が驚いた顔をあげる。

 袁紹にとって、劉表は同じ何進の配下であり、何進の元では先達であった。
 いわば、何進幕府内でのライバルだったのである。

「久しぶりですな、本初殿。あいかわらずお美しい」
「あ、あら……あ、ありがとうございますわ。景升殿もおかわりなく……」

 共に何進大将軍の幕下だった二人である。
 本来ならば、何進の討つ際に声をかけるべき相手でもあった。

 だが、袁紹は劉表を出し抜く意味でも自身の周囲だけでの宦官大虐殺を実行に移したのである。
 もっとも、現在はその功……いや、汚名は、董卓に擦り付けているために、特に負い目もないのだが。

 それでも多少後ろめたい袁紹は、受け答えに若干ドモり気味になっている。

「いやいや……儂も老いたわ。何進殿が宦官共に誅殺されるとは思いもよらんかった。敵対するとはいえ、董卓殿にはそれだけは感謝しておるのじゃよ」
「そ、それは…………っ、そ、そうですわ、ね」

 ヒクヒクと、口元を引きつらせながら相槌を打つ袁紹。
 本来ならば、それは袁紹自身がやったのである。

 だが、それを董卓に押し付けた袁紹は、そのことを口には出せない。

「とはいえ、それで専横が許されるわけではない。小帝陛下を害し奉り、あまつさえ献帝陛下を傀儡にした董卓は…………許
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