反董卓の章
第7話 「久しぶり、白蓮」
[7/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るとも言ったしのう。儂も先陣に立つか」
「ええ!?」
公孫賛さんが驚いた声を上げます。
「まあ、敵の攻撃は劉備軍で受けますよ。景升様は援護と包囲などをしていただければ助かります」
「しかし、それでは一方的にお主らが損害を……」
「いやいや。劉玄徳とその臣が鍛えた軍勢の力ならば、可能です」
そうきっぱりと断言する盾二様。
その様子に、劉表さんも公孫賛さんも呆れたように互いの顔を見合わせました。
そしてその言葉に……
愛紗さんたち武官は、我が意を得たりと笑みを浮かべるのでした。
―― other side 許昌 連合軍大天幕 ――
この場所は、お笑い劇場か?
そんな滑稽な状況が、この大天幕の内部で行われていた。
「さて……何度でも言いますわよ? 我々連合軍にはたった一つ、足りないものがありますの」
金ピカに飾り立てた実用性の薄い鎧に身を纏い、同じく金色の髪をドリルのように巻き上げた女性がそこにいた。
彼女の名は…………袁紹本初。
「兵力、軍資金、装備……全てにおいて完璧な、我らが連合軍にとって、唯一つ足りないもの。それはなんでしょう?」
(お前の頭だよ)
と、思わずつっこみたい思いを共有する諸侯は、無言でその様子を見ている。
この袁紹が総大将になりたいのは明白。
だが、それを推挙すれば、した者に様々な難癖をつけようとするのも明白。
そんなことが透けて見えるほどに――この袁紹は、自分の虚栄心をあからさまにしていた。
まさしく、どこぞのコテコテのお笑い劇場である。
そんな思いを知ってか知らずか、袁紹は総大将の要素を淡々と語ってゆく。
いわく――
「総大将には家柄が必要」
「敵を優雅に倒すだけの能力」
「そして美貌」
……何故、総大将に美貌が必要なのかはまったくわからない。
そう思うのは、諸侯の中の男性陣。
まあ、女尊男卑のこの世にあっては、そういうこともあるかもしれない。
そう思うことで無理やり納得しようとしている。
だが明確に、そして露骨に顔を顰めている者もいる。
そんな中、天幕内の用意された席で腕を組んでいた人物が、嘆息とともに声を上げた。
?州牧の曹操である。
「……で? それに見合う人物が、連合内にいると?」
「さあ? わたくしには分かりかねますわね。でも、世に名高いあなた方ならご存知じゃありませんの?」
このやりとりは、もう何度目かもわからない。
最初は曹操も無視していた。
だが、彼女が発言しなければ、今度は延々と過去の偉人達が如何に優れた総大将であったかを、それこそ一日中話すのである。
しかも、独断と偏見
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ