反董卓の章
第7話 「久しぶり、白蓮」
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といつまでも決まるとも思えません。ただ悪戯に、時間と糧食が消費されるだけです。その結果は……民へと返ります」
「……うむ」
ここにいる兵の総数は、おおよそ見積もって十万から十五万。
そんな兵が一日に消費する糧食は…………
正直、考えたくもありません。
「無為に時をかければ、董卓軍は更に兵力を増強させるでしょう。遠征してきている諸侯は逆に糧食の不足を理由に撤退する者も出ると思います。その場合……」
「自領地で不足分の糧食を集めるために、臨時徴税や略奪が起きかねない。そういうことか」
「それで済めばいいのですが…………不足した食糧を求めて暴動、略奪により治安の低下、賊の横行。そして、諸侯同士の争いにも発展しかねません」
「…………そうなれば処置なし、じゃな。二度と連合も組めまい」
時間が掛かれば掛かるほど、董卓さんには有利になるでしょう。
私達としては、それでもいいのですが……
漢の民全土のことを考えた場合、できるだけ短期で決着を着けるべきでもあります。
「では……自分から損な役を取る、と」
「あながち損でもありませんよ。先陣になれば名声もあがります。まだほとんど名声のない桃香には、名を挙げる好機ですから。(ぼそ)それに……この戦の終盤には、絶対に発起人たる袁紹が専横を振るいたがるでしょうし」
「…………ありえるのう。やれやれ」
「えっと…………盾二、ちょっといいか?」
「ん?」
劉表さんと盾二様の会話に、おずおずと手を上げた公孫賛さん。
その顔は、申し訳無さそうな顔をしています。
「本初が専横を振るうって、どういうことだ?」
「あ、うん。私も気になった。どういうこと、ご主人様」
「ああ……これだけの連合を立ち上げたんだ。最後は絶対、自分の名声を高めるためにも口出ししてくるだろ? その時どう動いても、連合をまとめたのは袁紹の力だって周囲に触れ回るんじゃないか?」
「え? え?」
「…………なるほど。ありえそうだ」
人を疑い慣れていない桃香様はさておき。
公孫賛さんは、袁紹さんの人となりを知っているためか、頷いています。
「そういう人物は、最小の手間で最大の功績を欲するもんだ。つまり……後で目立とうとするよりも、初戦で目立っておいたほうが名は上げ易いってことさ」
「とすると…………本初が動くのは、最後の方ってことか」
「だから先陣は捨て駒にしておく。自分たちの兵力は最後の目立つ場所で動かす。多分そんな思惑だろ? だったらその想定を覆せばいい」
「…………なるほど」
公孫賛は理解できた様子。
桃香様も納得はできないまでも、それが有益でありそうだという顔をしています。
「ということです。景升様はどうしますか?」
「ふむ…………連携す
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