反董卓の章
第7話 「久しぶり、白蓮」
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、眉を寄せて呟く。
「一部を除いて、総大将なんて面倒なことはしたくないと。で、やりたそうな人間が、自分から言い出さなくな」
「ちょっと待て。それってつまり……やりたそうな人がいるのに、その人が誰かの推薦を待っていて、皆はその推薦をするのも嫌なので軍議が止まっている、ってことか?」
「まさしく、その通り……」
アホか……とご主人様が呟く。
私も同意です、ご主人様。
なにをやっているのだ、諸侯は……
「権力争いとはいえ、二千年前だろうが現代だろうが変わんないわけね…………人ってやつが進化するのに、後何千年かかるんだよ、ほんとに」
白蓮殿の溜息が移ったように嘆息するご主人様。
言っている内容はよくわかりませんが…………気持ちはわかります。
私も思わず溜息をつく。
「まったく、英傑と呼ばれる人間が揃っているにも拘らず、これか」
「船頭多くして、船が港で…………なんだっけ?」
「船頭多くして船山に登る、だ。鈴々は帰ったらまた勉強だな」
「はう! 藪蛇だったのだ!」
私の言葉に鈴々が頭を抱える。
その様子に皆が笑いあう時。
「随分と賑やかな状態じゃな」
劉表殿が、我らの元へと歩いてきた。
―― 孔明 side ――
「……というわけで、こちらが」
「姓は公孫、名は賛、字は伯珪と申します。劉景升様のお噂は以前より伝え聞いておりました」
「うむ。玄徳殿の知己らしいの。よろしく頼む」
公孫賛さんが劉表さんの挨拶の後、現状の連合の状態が伝えられました。
「……なんともはや。どうせ総大将になりたいのは袁家のお嬢じゃろう? 目立ちたがり屋だったからのう」
「ご本人をご存知で?」
盾二様の言葉に、劉表さんが頷きます。
「以前、何進殿にやかましいがそれなりに役に立つ、という話は聞いておった。名誉欲が強いのが困るともな。連合の発起人もお嬢じゃろ?」
「……確かに、そうでしたね。となると……………………ああ、なるほど。推挙すれば、これ幸いにとそいつを先陣に指名する。だからみんな嫌がって推挙しないと」
「そうじゃろうのう。どうせ推挙した人間のせいで重責を担った、責任取れ、とでも言うのではないか?」
「……そういう人物ってことですか」
やれやれ、といった様子で首を振る盾二様。
「(ぼそ)俗物だな」
「これこれ…………妙なことを呟くでない。ここはその懐中の中じゃぞ」
「はっ…………失礼しました。では、例の打ち合わせ通りにしていただけますか?」
盾二様の言葉に、ううむと唸る劉表さん。
「…………ほんとうに良いのか? 相手の情報とてまだ……」
「どの道、単独で相手にされるわけですし。このままだ
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