反董卓の章
第7話 「久しぶり、白蓮」
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…………ゴホン! 景升様は私を買いかぶりすぎです。私はただの軍師にすぎません……誤解なさらないでください」
「カカカ! あいかわらずの謙遜ぶりよ! 玄徳殿の臣でなければ養子にしたいぐらいじゃて!」
「…………ご、ご冗談を」
おいおいおいおいおい!
止めてくれよ!
と、不意に視線が感じたので隣を見てみると……
(初耳だよ)
ヒィ!
桃香の視線が怖い!
「そ、それほどに…………わかりました。ほんごう……と言いましたわね。先陣の件は、あなたの考えということですの?」
……だから、なんで桃香を差し置いて俺に言うんだよ。
失礼だろうが。
「…………は。わたくしが玄徳様に進言し、景升様にもお願い申し上げました」
「そうですの…………理由を聞いてもよろしくて?」
ほらあ!
爺が変に俺を持ち上げるから、先陣の件を訝しんでいるじゃねぇか!
どうしてくれるんだよ、このクソジジイ!
俺は内心、散々に悪態をつきつつ、表面上はにこやかに話しかける。
「いえ、簡単な事です。先陣を切ることは武人の誉れ。それに名にし負う皆様方と比べて、我が主は未だ武威を天下に知らしめておりません。袁本初様におかれましては、何卒我が主にその機会を賜りたく、お願い申し上げる次第であります」
「………………」
袁紹は俺の言葉に、胡乱げな視線を送っている。
…………まずいな。
変に勘ぐられると、今後の動きに支障が――
「いいんじゃないかしら、麗羽」
不意に別方向からの声。
それは誰であろう、曹操の言葉だった。
「せっかく誰もが拒否したがる先陣を、自分からやってみせるというのだもの。それなりに自信があるんでしょう? ならやってもらえばいいじゃない」
「か、華琳さん。そうは言いますけど……」
「あら、せっかく先陣を任せてほしいという訴えがあるのに、総大将が理由もなく拒否するの? なら、総大将自らが先陣を切るのかしら?」
「そ、それは…………」
しどろもどろになる袁紹。
おそらくは自分の頭の整理が追いついてないな?
「……ふう。私も曹孟徳殿に賛成しよう。せっかく先陣を任せてほしいと言っているのだ。無下に断ることもないと思うのだが」
と、同意するのは、やはり周瑜だった。
てか、なんで未だにそんな不敵な笑みで俺を見るの?
まるで『大言吐くならやってみせろ』みたいな。
「そ、そうですわね…………で、では景升殿。それと……玄徳さん。あなた方に先陣をお願い致しますわ」
「うむ、心得た」
「は、はい!」
劉表と桃香がそれぞれ返事をする。
ふう……一時はどうなるかと思った。
全くこの爺ぃは…………
そんな時
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