反董卓の章
第7話 「久しぶり、白蓮」
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…それは、どの諸侯ですの?」
袁紹の訝しげな言葉に、ちらっと後ろを振り返る劉表。
どうやら出番らしい。
(桃香)
目で隣にいる桃香に合図する。
それを見た桃香は、頷き――
「私です。梁州牧、劉玄徳。劉景升様と共に着陣しました」
「劉玄徳……?」
袁紹は聞いたことがない、といった顔で首を傾げる。
だが、その周囲にいた二人の人物は違った。
曹操と周瑜である。
二人共、こちらを見るとぎらりとした目を向けてくる。
(ってか、曹操はともかくなんで周瑜にまで?)
俺は桃香ではなく、俺を睨んでくる二つの視線に、若干居心地の悪さを感じた。
「黄巾の乱で新設された梁州の刺史になり、最近州牧になった者よ。儂と劉焉殿、それぞれと同盟を組んでおる」
劉表の言葉に、諸侯全員の視線が驚愕に変わる。
「あの劉君郎様と……?」
袁紹が劉焉を字で呼ぶ。
まあ、劉焉は皇族だしな。
「うむ。儂は玄徳殿の臣下と縁があっての。その者の紹介で玄徳殿、そして劉焉殿との三州同盟を結ぶことになったのじゃよ。それ、自己紹介せんか」
え? 俺?
いや、桃香だけでいいんだけど。
俺が発言する場じゃないと思うんだがなあ。
とはいえ……薦められた以上はそうもいかないか。
しょうがない。
「……お初にお目にかかります。劉玄徳様の元で軍師をさせていただいております、北郷盾二と申します」
そう言って、拝礼してみせる。
その言葉で、周囲の諸侯の目が俺に集まった。
その様子にうんうんと頷く劉表…………なんでだよ。
「皆も聞いたことがあろう。黄巾の以前より噂された天の御遣い。こやつがそうじゃ」
あ、てめっ!
爺ぃ、それ言うなよ!
「天の御遣い……?」
「ああ、あの胡散臭い預言者の……」
「実在したのか……」
ほら見ろ!
せっかく最近は、梁州外での御遣いの噂が消えかけていたっていうのに!
こんなところで再燃させんなぁ!
思わずジロっと劉表を睨む。
その劉表は、してやったりと髭を揺らせて満面の笑みを……こ、この爺ぃ。
狙ってやがったな!?
「天の御遣い…………あの胡散臭、いえ失礼しましたわ。そういう下々の噂は耳にしたことがありますけど」
「そやつがそうよ。最初は儂も信じられんかったがの。とある件で世話になった。お陰で劉焉との縁も出来た。三州同盟はこやつの功績よ」
「まあ…………」
うっ……
劉表が変に俺をべた褒めするから、袁紹も周りの諸侯も目つきが変わる。
なんで俺、こんなに注目されているんだよ!
お、覚えていろよ、クソジジイ!
「あー
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