反董卓の章
第7話 「久しぶり、白蓮」
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したが……やはりお強いので?」
「うん。孫策さんって人気もあるしね。でも…………」
私はチラっとご主人様を見る。
「ん? なんだ?」
「ううん、なんでも」
孫策さん…………ご主人様にべた惚れなんだよね。
恋敵が再来かぁ…………
「桃香様! あれを!」
「へ?」
愛紗ちゃんが指差す先。
そこにあった旗は…………あっ!
「白蓮ちゃんの旗だ!」
「…………!」
私の声に、星ちゃんが息を呑む。
白蓮ちゃんも、この連合に…………
「…………やっぱり来ていたか」
ご主人様は、憂いた表情でその旗を見ている。
兵の数はそんなに多くはないみたいだけど……
「盾二様…………公孫賛さんは」
「劉虞の代理、だろうな」
雛里ちゃんの言葉に、神妙に頷くご主人様。
そっか……
「よく見ておくんだ、桃香。ここにいる諸侯は…………いずれも歴史に名を残す英傑たち。ともすれば…………いや」
言いかけた言葉を止め、頭を振るご主人様。
…………その止めた言葉は、一体何を言おうとしたのだろう。
何故かその口にされなかった言葉に、言い知れない不安が私の胸に渦巻いていた。
―― 盾二 side ――
いずれは敵となる相手だ。
そう桃香に言いかけて、やめる。
言ってどうなるというのだ。
桃香はただ、民を安んずることだけを思っているのに。
だが……時代は、そんな桃香の想いを待ってはくれない。
必ず激動の世が来る。
仙人たちが……それを起こそうとしているのだ。
だからこそ、強くなければならない。
それが……
それが三国志の、世界なのだから。
「盾二様、本陣からの使者が参られています」
「わかった、お通ししろ」
「はい……どうぞ」
朱里の言葉に、一人の金の鎧をまとった兵士が現れる。
………………何故に金?
「長の行軍、お疲れ様でございます! 貴殿らのお名前と、兵数をお聞かせ下さいますでしょうか?」
「あ、はい。梁州の牧、劉玄徳です。兵数は二万五千」
「に、にま…………し、失礼致しました」
驚いた兵士が、思わず筆を落としかける。
どうやら参陣した諸侯の中でも、かなりの兵数のようだ。
「私達と一緒に、荊州牧の劉景升様もいらっしゃっています。そちらにもご挨拶なさってくださいね?」
「りょ、了解致しました!」
金ピカの兵士は、身を正すと拝礼して去っていく。
おそらく後方で陣を敷く劉表の元へ行ったのだろう。
俺達は劉表をここで待ってから、一緒に大天幕へと挨拶に行くつもりだった。
「さて……と。(
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