反董卓の章
第7話 「久しぶり、白蓮」
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―― 劉備 side 許昌近郊 ――
新野で劉表さんと合流してから十二日。
ようやく私達は連合集結地点と言われる許昌へと辿り着いた。
私達、劉備軍だけなら輜重隊に合わせても最短で四日か五日程度で着く処。
でも、劉表さんとの同時行軍だと遅い遅い。
私達が進む速度じゃ到底追いつけないとのことで、劉表さんの行軍速度に合わせたらこれだけ遅くなっちゃった。
でも朱里ちゃんや雛里ちゃんに言わせると、私達が異常だとか言う。
……そういえば、義勇軍の頃はこれぐらいの移動速度だったかもしれない。
「遅すぎるのだ! こんなんじゃ身体が鈍るのだ! だから……ちょっとそこらで賊退治してくるのだ〜♪」
「やめなさい」
誰よりも元気いっぱいな鈴々ちゃんは、遅い行軍速度にイライラしている様子。
二日に一度はそんなことを言って、ご主人様に首根っこ掴まれている。
その姿はまるで…………
「だれが子豚さんなのだー!」
「そ、そんなこといってないよ!?」
……ウリ坊みたい(猪の子供)、なんて思ったりはしたけど。
ともあれ周囲を見回せば、色んな所の勢力が陣地内に天幕を作って滞在している。
そして諸侯の旗が、それこそ所狭しといった様子で陳列されている。
一体、どれだけの人数がこの連合に参加しているんだろ?
「流石は諸侯連合、といったところです。こうやって見ると、壮観ですね」
朱里ちゃんはそんなことを言いながら、興味深く周囲を見回している。
見れば、他のみんなも同様だった。
「ふむ……陣地中央の大天幕。あれは袁家の旗……袁紹の旗のようだな」
「愛紗よ、その横には別の袁家の旗があるぞ。おそらくは南陽太守の袁術の旗であろうな」
愛紗ちゃんと星ちゃんが、中央にあるキンキラ金の旗を見てそう呟く。
…………ちょっと眩しすぎて、目が痛い。
「お姉ちゃん! 奥にあるのって、あのちびっこの旗じゃ……」
「ちびっこ? えと…………ああ、曹操さんか」
曹操……義勇軍の時に共闘を持ちかけてきた陳留刺史。
今は確か…………
「曹操も今は、?州牧であり、西園八校尉の典軍校尉のはずだ。名実ともに桃香より上位だな」
「ご主人様」
私の横でご主人様が唸る。
そっかあ……曹操さん、ずいぶんと出世したんだね。
「その奥には孫の旗…………どうやら雪蓮も来ているようだな」
「孫策さんもか〜……久しぶりだよね」
黄巾の乱で、宛から袁術軍の援軍に行ったきり帰ってこなかった。
結局、宛での引き継ぎでも面会もできずにいたから、実に二年近くになる。
「江東の麒麟児、孫伯符殿ですか。噂には聞きま
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