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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百十話:衝動の代償
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作を目の前に見せ付けられたバネッサさんが、顔を輝かせて食い付きます。

「……入ります!入りますから!それ!ください!!」
「まずは、署名よ!全ては、それからよ!」
「書きます!書きました!!」
「よくやったわ、バネッサ!ようこそ、こちらへ!!」

 ああ。
 バネッサさんが、暗黒面に堕ちた。

「さあ、帰るわよ!目的は全て、果たしたんだから!これ以上、お邪魔をしてはいけないわ!」
「ドーラちゃん、ヘンリーさん!元気でね!この町に来たら、また寄ってちょうだいね!」
「あ、ヘンリーさん!良かったら、これ!取っておいて!」
「じゃあね!二人とも!頑張ってね、色々と!!」

 ヘンリーの手に肖像画を押し付け、賑やかに去って行く踊り子さんたち。

「ごめんなさいね、お騒がせして。気を付けておくけど、困ったことがあったら私かキャサリンに相談してね。それじゃ、元気でね。ドーラちゃん」
「あ、はい。クラリスさんも、お元気で。色々、ありがとうございました」

 最後に言い置いて、クラリスさんも去って行くのを見送って。


「……ドーラ。……何、したんだ」

 ヘンリーが、呟くように問いかけてきます。

「……自発的には、何も……」

 うん、私は普通にしてたはず。
 普通にしてたのに、反応が色々と普通じゃなかった。

「……自発的には?……何、されたんだ」
「……え、……えーと……」

 いくらヘンリーとは言え、男性相手にはちょっと説明しづらい。

「……何、赤くなってるんだ……まさか」
「だ、大丈夫だから!別に、そんな!ちょっと悪ふざけが度を過ぎたというか、そんな程度で!もうしないっていうし、大丈夫だから、もう!」

 女性相手にヘンリーが報復に向かうとも思わないが、もう済んだことで怒りを燃え上がらせられても困るし。
 話をなんとか収めようとか、でも具体的に説明できないしとか、誤魔化そうと思ったら余計に思い出してきたとか、色々と混乱してますます赤くなる私を、ヘンリーがじっと見詰めてます。

 うう、あんまり見ないで欲しいんですけど。

「……わかった。お前がそう言うなら、それはもういい。それより……ありがとうな」
「……え?」
「助けに来てくれたんだろ?」
「う、うん。まあ」

 助けたって言っても、昨日は見捨てたような形になってたわけで。
 私からすればヘンリーの幸せのためだったとは言え、ヘンリーから見れば求めてもいないのに女性の世話をされるとか、お節介にも程があるわけで。
 しかもその結果があれとか、お礼を言われてしまうと逆に心苦しいんですけど。


 ……うん、気が咎めるなら、謝るべきよね!
 人としてね!
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