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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百十話:衝動の代償
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いた別の踊り子さんが、一枚の書類のようなものを突き付けます。
え、署名?
って、なに?
ということをバネッサさんも思ったようで、私の代わりに疑問をそのまま口に出してくれます。
「……署名?……それは、なに?」
「『ドーラちゃん非公式ファンクラブinポートセルミ』の入会申込書よ!!」
…………ハア?
え、なにそれ?
聞いてませんけど?
非公式とか、本人の目の前でなに堂々とやってるの?
ていうか、昨日の今日で、いつそんなものを。
「……それは、……入ると、……どうなるの……?」
え、ちょっとバネッサさん。
そんな怪しげなものに、いきなり興味を示さないでください。
「まず、入会特典としてドーラちゃんのミニ肖像画をプレゼント!」
ハア?
だから、いつそんなものを、勝手に
「さらに、会員間で交換した情報をまとめた会報を、定期的に配布するわ!」
え、ちょ、ま
「すみません!プライバシーの侵害は、良くないと思います!断固、拒否します!!」
まだ近付くのは怖いので、ヘンリーの背後から。
声だけで、異議を申し立てます。
「ああ!心配しないで、ドーラちゃん!ここにいる限り、旅するドーラちゃんの情報なんてそうそう手に入れられないから!ほとんど、ドーラちゃんの可愛さを熱く語り合う内容になると思うわ!」
「そうそう!ドーラちゃんには、どんな服が似合うかとか!」
「ドーラちゃんが最高に可愛く見えるシチュエーションは、どんなのかとか!」
「いかがわしい内容は検閲で外すから、大丈夫よ!
汚
(
けが
)
さないわ!」
「そもそもそんないかがわしい内容を入れ込もうとすることが、
罪
(
ギルティ
)
よ!!」
え、……ええーー……。
なにそれ、どうしよう。
大丈夫なの、それ?
盛り上がる踊り子さんたちから少し距離を置き、困ったように眺めているクラリスさんに、救いを求めて視線を向けます。
「……クラリスさん……」
「……ごめんね、ドーラちゃん。羽目を外し過ぎないように、ちゃんと見ておくから。ガス抜きとして、大目に見てやってくれないかしら」
「…………クラリスさんが、そう言うなら…………」
正直、ちょっと嫌だが。
やめろと言ったところで止めようが無いし、迷惑をかけられるわけじゃ無いなら、もういいか。
「ドーラちゃんの黙認が得られたところで!さあ、どうするの、バネッサ!?入るの、入らないの!?」
「……肖像画を……見せて、くれますか……」
「ご覧なさい!徹夜で仕上げて版画で量産した、力作よ!!」
え、徹夜とか。
朝からテンション高いと思ったら、徹夜明けだったの?
ナチュラルハイだったの?
その力
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