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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百十話:衝動の代償
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の思考はともかく、踊り子さんたちに柔らかく言い聞かせられて、バネッサさんが戸惑いを露にします。

「……そんな……だけど、わからないじゃない!もしかしたら、受け入れてもらえるかもしれないじゃない!楽しく、じゃれ合えるかもしれないじゃない!!」

 ありません。
 そんな可能性は、万に一つも存在しません。
 突然襲いかかってくる変態を好意的に受け入れるような頭の緩い美少女は、私に限らず、どこを探してもいませんから。

 という私の思考を代弁するように、踊り子さんが静かに口を開きます。

「……バネッサ。現実を、見るのよ。ご覧なさい、ドーラちゃんを。あの、嫌悪感に満ちた表情を。あんなに可愛い姿を見せてくれていたドーラちゃんを、こんな風にしたのは……あんたが、衝動に身を任せたからなのよ?……あんたは、こんな結果を、望んでいたの……?」

 え、ちょっと。
 こっちに振らないでください。
 正直、視界に映りたくありません。

 と、ビクッとしてヘンリーの背中にしがみつく私の姿に、バネッサさんが衝撃を受けて愕然とします。

 ……え、今、気付いたんですか?
 これだから変態って、やーねー。

「……そんな……!あたしは、ただ……!可愛かったから、可愛がりたかったから……!それだけで……!」

 呆然と立ち尽くすバネッサさんに、踊り子さんがゆっくりと歩み寄ります。

「……バネッサ。悔い改めるのよ。確かに、取り返しのつかないことはあるわ。私たちが、あの無邪気な笑顔を向けてもらえることは、きっともう無いでしょう……」
「……そんな……。そんな、ことって……」
「……だけど。まだ、間に合うこともあるわ。今、踏みとどまれば。見守ることは、許されるの。突き進めば、それすら許されなくなるわ……」
「……それ、……すら……」

 うん、まあ。
 他の踊り子さんたちも、一回は許したし。
 私も基本的に可愛い女性は好きだし、バネッサさんも踊り子さんなだけあって、派手さは無くてもそれなりに可愛いし。
 踏みとどまって態度を改めてくれるなら、それくらいはなんとか。

「あんたが本当に、可愛いものを、純粋に愛でたいだけだと言うのなら。ここで、踏みとどまりなさい。私たちと一緒に、遠くから、見守りましょう……」

 バネッサさんの肩に手を置き、全てを悟り切ったような穏やかな表情で言い終える踊り子さん。

 しばし俯き、逡巡していたバネッサさんが、意を決したように顔を上げます。

「……わかったわ。あたしが、間違ってた。あんなに可愛いのを、見守ることすら許されないだなんて……。そんなの、嫌だもの……」
「わかって、くれたのね……!」
「……それじゃ、これ!これに、署名をなさい!」

 素早くバネッサさんに近付
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