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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と安倍晴明 E
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「とまあ、これが俺がもといた世界で体験し、驚いた怪異現象の一つだよ。」
一輝は音央と鳴央に安倍晴明との一件を話していた。
時系列的には、一巻と二巻の間くらい、場所的にはノーネームの一輝の部屋である。
「一輝のいた世界ではそんなことが起こったの?」
「ああ。つってもこれだけのことが出来る存在はかなり少ないから、貴重な体験なんだけど。」
「貴重、ですむものではないと思うのですが・・・歴史は変わらなかったのですか?」
「それは大丈夫だった。あそこで分岐点が出来て、別の未来が出来ただけみたい。」
そう、あの後一輝はもとの歴史で色々調べたが、その範囲では何一つ変わっているところはなく、少し拍子抜けしたのだ。
「ところで、聞いてて思ったんだけど、いい?」
「ああ、どうぞ。」
「その寒戸って妖怪を使えばノーネームが崩壊するよりも前の過去に行ってそれを防げるんじゃないの?」
音央の疑問はもっともである。
十六夜がいればたいていの魔王はどうにかなりそうだ、と思って当然のことを彼はしているのだから。
が、そう事は上手く運ばない。
「それが、寒戸はもう倉庫の中にいないし、俺の監視下にいないんだよね。」
「どうしてですか?」
「俺が箱庭に来る一週間前に嫁入りした。」
「「嫁入り!?」」
二人が揃って驚く。まあ、普通の人からしたら当然の反応だろう。
「うん、嫁入り。生まれてくる子供がどんな能力を持つのか、ちょっと楽しみだったんだよな〜。」
「いや、そんなことより。結婚相手も妖怪なの?」
「いんや、人間。確か歳は・・・二十七だったかな?まあ俺がいた時代では妖怪と人間の結婚も許されてるし、最近では珍しくもなかったよ?」
「・・・想像できないです・・・」
一輝はその二人の反応に満足したようで、立ち上がる。
「さて、話して欲しいって言ったから話したけど、どうだった?」
「二回驚いたわよ・・・それも、予想外のところで。」
「そうですね・・・全く違う種族での結婚とかも、本当に想像がつきませんし。」
「この箱庭の世界でなら意外とあるんじゃないかな?何背こんなにいろんな種族が集まってるんだし・・・ん?なにこれ?」
一輝は話している途中で手紙を発見し、それを手に取る。
「これは、サウザンドアイズの旗印だけど・・・話を始める前からあったっけ?」
「いえ、私達が部屋にきたときにはなかったはずですが・・・」
「サウザンドアイズって事は白夜叉でしょ?あの人なら気づかれずに手紙をおいていくぐらいできるでしょ。」
「「それもそうだな。」そうですね。」
一輝を呼び出した手紙も気づかないうちに置かれていたものだ。箱庭ではよくあることなのかもしれない。
「さて内容は・・・『おぬしに客人が来ておる。
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