暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と安倍晴明 C
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
からな。業物にきまっとるやろ。」
「母上、だと・・・?」

晴明の言葉に、酒呑童子は片腕を抑えながら晴明を見据え、一つのことに気づく。

「そうか・・・どこかで感じたことのある気配だと思ったら、貴様の母のものか。」
「ああ。一部遺伝したみたいなんや。ま、便利やからええんやけど。」

晴明がそう言うと同時に、晴明の周りを狐火が回り始める。

「ま、君との戦いでこれはつかわへんけどな。半分人間やから、あんまり多様は出来んのや。」
「それはありがたいな。同じ日本三大悪妖であっても、あの方との間には天と地ほどの間がある。」

酒呑童子は虚空から新たな武器を取り出す。
それは、日本刀だった。ただし、長さが異様に長い。

「まだあるんか?」
「もちろんだ。まだまだいくらでも出てくる。」

そう言いながら、酒呑童子は日本刀を振るう。
それを使う目的は晴明と距離を置き、五鈷杵を使わせないことで、案の定それは成功する。

「近づけへんなぁ、それ。」
「それが目的だからな。まだまだあるぞ!」

そう言いながら槍も取り出し、折れた腕に縛り付けて振るい、さらに距離をとる。
結果、晴明は距離を置かざるをえなくなり、五鈷杵をしまう。

「ようやくその武器を収めたか。」
「まあ、この状況で使えるとは思えへんしな。それに、遠距離の武器は他にもあるんやで?」

晴明はそう言いながら新たな式神を取り出し、呪力を流して武器にする。
それは、一般に銃と呼ばれるものだった。

「これなら距離があっても撃てるし、」

そう言いながら狙いを定め、一気に五回引き金を引く。

「呪力をこめれば連発も出来る優れものや!」
「まさか、そのようなものまで!」

急に現れた飛び道具に酒呑童子はあせり、武器を落としてしまう。

「さあ、いつまで避けつづけるんや?」
「く、忌々しい!」

酒呑童子は最初のうちは避け続けていたが、きりがないと気づき石を晴明の手にぶつけて銃を落とさせ、思いっきり踏みつけて破壊する。

「ああ、もったいない。結構高かったんやで?」
「そんなこと、我が知ったことではない!」

酒呑童子はそのまま肉弾戦に持ち込み、晴明を圧倒する。
所詮晴明は人間であり、式神などを使って戦うことがメインだ。肉弾戦はあまり得意とはいえない。

「わ、ちょ、殺す気かい!」
「当たり前だろう!何を今更!」

晴明はついに避けきれず、連打を喰らい始める。

「ああ、痛いなあ・・・ハッ!」
「熱!」

が、喰らい続ける気はないようで狐火を使って酒呑童子を遠ざける。
そして、その間に指先で星を・・・晴明紋を描き、

「喰らいや!」
「何だこれは!?」

そこから、膨大な呪力の散弾を撃ち始めた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ