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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と安倍晴明 C
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「さて、あっちは一輝君がやってくれるみたいやし、こっちも始めよか?」

一輝がザコの鬼を全て片付け、四天王プラスαを引き受けている間、晴明は酒呑童子と対峙していた。

「よいのか?あの小僧に加勢してやらんで?」
「問題ないよ、彼なら十分、あの鬼達を圧倒できる。それより、自分のことを考えや!」

晴明は袖から式神を六枚取り出し、同時展開する。

「さ、いこか。ボクの式神たち!」

その掛け声を合図に六体の式神が酒呑童子のもとにかけていく。
最初に狼のような式神がたどり着くが難なくかわされ、蹴り飛ばされて紙に戻る。
そのまま鹿、象、鎧武者、骸骨、猪が攻撃を仕掛けるも、全て一撃の元に紙に戻される。

「あら、一輝君のときもそうやったけど、そこまで弱くないはずなんやけど?」
「確かに、式神の出来はよい。だが、それでも所詮は式神だ。」
「やっぱり、そうなるんやな〜。ま、ほかにも手はあるし、ええか。」
「それは怖いな。何かする前に葬るとしよう!」

今度は酒呑童子が晴明に襲い掛かる。
日本三大悪妖といっても、鬼であるためか肉弾戦が中心のようだ。
酒呑童子は晴明に殴りかかり、蹴り、様々な攻撃を加えるが、全てお札によって防がれる。
有名な、ゴボウ星の書かれたお札ゆえに、普通のものの何倍もの防御力を持っているようだ。

「その程度か?」
「いや、そのはずはないだろう!」

酒呑童子は虚空から棍棒と鎌を取り出し、再び晴明に襲い掛かる。
晴明はそれを再びお札で防ごうとするが、その防御を簡単に突き破ってくるので、慌てて避ける。

「あっぶないなぁ。何で攻撃が通るんや?」
「我が武器は、全てが少しばかりの神気を帯びておる。そのようなもので防げる道理があるまい!」
「なるほどなぁ。ほな、僕も別のを使おか。それに対応できるだけの武器を。」

晴明は式神を掲げ、そこに呪力をこめる。
すると、次の瞬間に晴明の手には木刀と五鈷杵が現れる。
もちろん、木刀もただの木刀ではない。神木を削って作り上げた、業物である。
そして、五鈷杵というのは蓮の蕾のような形をした、古い時代の武器である。

「その武器でどこまで出来るか、見せてもらおう!」

酒呑童子が獲物を使って攻撃を仕掛けるが、晴明は全て木刀で防ぐ。
神木を削って作り上げたため、それ自体が軽く神気を帯びているのだ。
そして、何度か打ち合い、がら空きになった胴に五鈷杵を突き刺すと、

「ナウマク、サンマンダ、バザラダン、カン。」
「ぐ、ぬううううう!」

自らの呪力を流し込み、内側から攻撃する。
そのまま、出来た隙に木刀を叩き込み、片方の腕を使い物にならなくする。

「ほう・・・なかなかの武器、のようだな・・・」
「まあ、母上からもらったものや
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