第十一話
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言霊を唱えきった瞬間、俺の手に雷が現れた。
そして、それに少し意識を向けると、槍の形に収束していく。
「ほう、それが貴様の権能か」
「みたいだな。まあ、今見せてやるよ!」
まあ、なんとなく考えても無駄な気がしたので、いつものようにもう一槍つくり、蚩尤に向かって跳ぶ。
すると、蚩尤は剣を四振り作ったので、それと打ち合う。
「ほう、壊れぬか」
「みたいだな・・・これなら!」
いける、と思った瞬間に、気を回していなかった二振りの内、一つに軽く斬られる。
あっぶねー・・・反射的に雷の噴射力で跳んでなかったら死んでたな・・・
「だが、手数が足りん。我はまだ半分しか手を使っておらんぞ」
「そうなんだよな・・・まあ、何とかなるだろ」
せっかく掌握した権能だが、いったん引っ込め、代わりに槍を二振り『召喚』する。
もちろんただの槍では傷つけれないことは先ほど検証した通りなので、ブリューナクとゲイ・ボルグ、神を傷つけれるだけの槍を。
「先ほどまでの槍とは違う・・・権能のように感じる槍だ」
「だけど、こいつらは権能じゃねえよ。隠そうとは思わないから言うが、俺の権能はまだ一個だけだ」
まあ、本来は神様の持ち物なんだから、権能と数えても問題のないような気はする。
そういえば、なんでこんなもんがこの世界に散らばってたんだろうか・・・
「まあ、考えても分からないようなことは気にしたら負けだよな!」
疑問について考えるのは後にして、今は目の前の戦いに集中しよう。
「まあまずは、接近するとしますか!」
「うむ、分かりやすくてよい!」
とりあえず、一気に近づき、相手の剣をゲイ・ボルグだけでどうにかこうにか弾ききり・・・ブリューナクを、蚩尤に向かって投げる。
「喰らえこのやろう!」
「む・・・」
が、俺が先ほど剣を避けられたように、蚩尤もブリューナクを避けて見せた。
腕の一本を、犠牲として。
「ほう・・・我が腕を貫くとはな!面白い、面白いぞ神代武双よ!」
「なんで腕一本とられてそんなに楽しそうなんだよ!」
少しくらい戦意をそげたらって思ったのに、全然できねえな!
まあ、少し考えてみれば俺も片腕なくなったくらいで戦意を失うとは思えないから、当然か。
「でも、これで手数は近づいたぞ!」
「しかし、まだ我が優位は変わらん!」
そう言って、ついに蚩尤は七本の手全てに刀を握った。
俺も着地した勢いで走り、ブリューナクを回収し、再び向き直りながら、
「ひょっとしたら・・・」
ふと思いついて、雷の権能を使ってみると、槍にまとわせることができた。
さらに、肩当も出現した。これなんだろう?
「まあ、後になったら分かる
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