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とある星の力を使いし者
第106話
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 「使徒十字(クローチェディピエトロ)」の件があるからな。
 あいつらが学園都市に何かする可能性があるから、その真意を見極めるまではついて行く。」

ローマ正教はかつて、「使徒十字(クローチェディピエトロ)」を使って学園都市を強制的に自ら傘下に入れようと考えていた。
それは上条や麻生達のおかげで防ぐ事ができた。
使徒十字(クローチェディピエトロ)」が成功しなかったからこそ、ローマ正教は「アドリア海の女王」という巨大な魔術霊装を使う可能性がある。

「その言葉を聞いて安心したよな。」

建宮は本当に安堵の表情を浮かべる。
麻生が協力しない、と言ったらどうしようもなかった。
力づくで協力させる事もできない(するつもりもないが)。
そうなるとかなり危ない橋を渡る事になっていた。

「彼の力を借りると言っても具体的にどうするつもりですか?」

「相手は確実にサーチ術式を使っているのよな。
 距離にして大体四〜五キロほどで射程距離に入る。
 こっちの船は「女王艦隊」の砲弾を一発でも受けたら終わりよな。
 加えて、艦隊の数は一〇〇弱。
 それらが一斉に砲弾を撃ってきたら文字通り雨の様よな。
 さて、どうやって切り抜けるよな?」

「そんなの簡単だ。
 俺が先行して「女王艦隊」に突っ込む。」

その言葉を聞いてその場にいる全員が驚く。

「貴方は彼の話を聞いていなかったのですか?
 一人で突っ込めば簡単に撃墜されます。
 それに相手の警戒をより一層強くするだけです。」

無謀と思える発言にルチアが呆れながら言う。
あれだけの「女王艦隊」の砲が一斉に撃てば、まさに弾幕になる事間違いない。

「それに相手にはビオージオ=ブゾーニがいます。」

「誰それ?」

ルチアがある人名の名前を口にした時、思わず上条はルチアに聞いてしまう。

「あの艦隊の指揮官でローマ正教の司教の地位についている人物です。
 単体での戦闘力よりも、複数を動かす事に特化した司教と聞いています。」

「ふ〜ん、それで?」

その説明を聞いた麻生は何も表情を変えずにそう言った。
それを聞いたルチアは少し苛立った声で言い返す。

「これだけ言ってもまだ分からないのですか!?
 このまま貴方が突っ込んでも意味がないと言っているのですよ!
 貴方が一人勝手に突っ込んで死ぬのは勝手です。
 ですが、そのせいで私達に迷惑がかかります。
 死ぬのならせめて私達に迷惑がかからない所で死んでください。」

ルチアの厳しい言葉に五和は思わず、言い返してしまいそうになるが、建宮がそれを止める。
麻生はその言葉を聞いて、頭をかきながら面倒くさそうな顔をする。

「建宮、上下艦以外に船は何隻ある?」

そして
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