第四十五話 運動会当日その二
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「午前に出て後はもう何も出ないから」
「じゃあ別にいいわね」
「朝御飯は普通に食べてよね」
「それでいいわ」
やはり朝も食べ過ぎては駄目だというのだ、身体が重くなりその分怪我をしやすくなるからだというのである、
「そういうことでね」
「そうね。そういえばお父さんって」
琴乃はここで父のことに気付いた、彼はというと。
「朝あまり食べないわよね」
「絶対に食べるけれどね」
朝食は摂る主義だがその量がというのだ。
「御飯に軽く一杯ね」
「それもお茶漬けであっさりよね」
「お父さん朝は食欲ないのよ」
「昔からそうよね」
「スロースターターだから」
朝は調子がよくない、だからだというのだ。
「いつもね」
「お昼は夜はかなり食べるのに」
「朝は幾らその前の夜食べてなくても食べる前に身体を動かしていてもね」
そうしたことをしていてもだというのだ。
「どうしてもなのよ」
「食べないわよね」
「それでお昼になるとね」
その時にだというのだ。
「もう調子が出てるから」
「食べるのね」
「そうなの」
そうだというのだ。
「お父さんは昔からそうなのよ」
「朝はどうしてもなの」
「とにかく食欲がないのよ」
体調の好不調に関わらず、というのだ。
「朝だけはね」
「私とそこは違うのね」
「あんたはお母さんと同じよ」
目の前にいる自分自身とだというのだ。
「そこはね」
「そうなのね」
「そう、じゃあ今はどうするの?」
「今日はもういいわ」
御飯は一杯だけでいいというのだ。
「これ位でね」
「そう、わかったわ」
琴乃は時折二杯食べる時もある、だが今はというのである。母もその言葉を受けてそれで答えたのっである。
「これでいいわね」
「後はお味噌汁を飲んでね」
茸、シメジと椎茸の味噌汁を見て言う。
「それでね」
「歯を磨いて顔を洗ってね」
「そうするから」
身支度も整えてだというのだ。
「行って来るね」
「頑張りなさいよ」
「うん、怪我にも気をつけてね」
朝の爽やかな日差しの中で笑顔で話す、そこに弟も来る。朝の団欒の後で。
琴乃は登校した、この日は部活がなかった。それでそのまま教室に行くと男子生徒達が更衣室に行く前に嘆いていた。
「全くなあ」
「ああ、残念だな」
「結局俺達の願いは聞き届けられなかったな」
「そうだな」
こう嘆きながら話すのだった、何について嘆いているかというと。
「チアリーダースパッツかよ」
「白のアンスコじゃないんだな」
「黒のスパッツか」
「ただのスパッツなんだな」
このことを言っていた。
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