第七十二話
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第七十二話 亜美の出身
華奈子は一時間目の後早速花京院亜美のところに行った、亜美の周りにはクラスの娘達がいて彼女とあれこれ話している。
その彼女のところにひょっこりと来てだ、こう尋ねたのだ。
「ええと、花京院亜美ちゃんよね」
「そやで」
笑顔でだ、亜美は華奈子に答えを返した。
「よろしゅうな」
「その喋り方は」
誰がどう聞いても関西弁である、華奈子達も神戸市長田区八条町に住んでいるが亜美の関西弁はかなりべたなものだった。
その関西弁を聞いてだ、華奈子は行った。
「大阪生まれ?」
「そやねん、大阪の住吉から来てん」
「そうなのね」
「お父ちゃんの仕事がこっちになったさかい」
それでだというのだ。
「転校してきてんや」
「大阪からなの」
「そや、その住吉からな」
この八条町に来たとだ、亜美は華奈子ににこりとして答える。
「そやからこの喋り方やねん」
「成程ね、京都かと思ったけど」
「大阪やで」
生まれは完全にそちらだというのだ。
「それで趣味はたこ焼きとお好み焼き、焼きそばを作って食べることや」
「何かベタベタの大阪ね」
「大阪ええとこやん」
「そのことはね、けれど何か」
花京院という苗字とその外見から大阪はあまりイメージ出来なくてだ、華奈子はどうにも微妙な顔で言うのだった。
「これはまた意外ね」
「意外上等やん」
「そうだけれどね」
「魔法もやってるのはもう聞いてる思うけど」
「聞いてるわ、あたしも魔女だから」
華奈子は自分からこのことを話した。
「宜しくね」
「行く魔女の塾も決まってるさかい」
「今田香先生のところよね」
「そう、そこやけど」
「あたしも魔法の塾そこだから」
このことも自分から言う華奈子だった。
「宜しくね」
「何か縁あるな」
「そうね、いきなりね」
「それであんたの名前は何ていうんや?」
「菊池華奈子よ」
華奈子は亜美にすぐに自分の名前を名乗った。
「宜しくね」
「あんじょうな」
亜美は笑顔で応える。
「他の娘とも会うてな」
「ええ、楽しくやろうね」
「それじゃあね」
華奈子と亜美は笑顔で応える、これが華奈子と亜美の最初の会話だった。そして六人が彼女と交わるはじまりでもあった。
第七十二話 完
2013・9・12
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