第三話 〜アスナが勧誘されるお話 前編【暁 Ver】
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とも動かなくなる。はやてがあまりの苛烈さに冷や汗をかいていると、彼女は既に動き出していた。
驚愕したのは残りの二人だ。既に笑みを浮かべる余裕すらなくなっている。一人は少女から距離をとるために後退し、もう一人は持てる限りの魔力弾を生成すると同時に、少女を攻撃する。だが、当たらない。驚異的なスピードで空を縦横無尽に駆け回る少女に一発も擦りはしない。一人目と同じように男の懐へ入ろうとする少女を『障壁』で防ごうとするが──── そんなものは関係ないとばかりに、その場でくるりと回転しながら蹴りを男の顎へと叩き込む。為す術もなく墜ちていく男を確認しようともせずに少女は残りの一人を狩る為に自らを砲弾と化した。
距離をとっていた男は二人目が撃墜されている間に収束魔法を撃つためのチャージを完了させていた。そして自分へと突っ込んでくる少女へ躊躇なく砲撃を撃ち込む。放たれた砲撃の奔流へと少女は飲み込まれ、男は自分の勝利を確信するように笑った。だが──── 渾身の魔力を込めたであろう砲撃が、少女の手前で。全てが。幻のように──── かき消されていた。
──── 完全魔法無効化能力
男は驚愕に顔を染めたが、最早闘う術などない。すべての魔力を使い果たした男は目の前から消えた少女を必死に探していた。その時には既に男の背後に少女はいて──── 男が振り返ろうとする前に、右腕を鞭のように彼女は振るった。手刀は寸分違わず首へと吸い込まれ意識を刈り取る。男が完全に振り返っていたのなら、少女の唇が嗤いの形になっていたのが見えたはずだ。飛ぶことに疲れた鳥のように男は地上へと墜ちていく。勝者は大空に悠々と佇む──── 翼のない鳥だった。
彼女が最後の一人を撃墜した瞬間に、陸士訓練校の校舎と応援していた生徒達から大歓声が上がった。空から『歩いて』戻ってきた少女は生徒達からもみくちゃにされている。端末のスピーカーから聞き覚えのある声が聞こえた。
『こ、こらっ。アンタたち、どっから涌いてきたのよ! 離れなさい!』
『……なんかのお祭りですか?』
『ある意味ね』
『あんた達、道を空けなさいってば。教官! 何とかして下さい!』
『知らん。偶には良いだろう』
『……ゲヌイトのおっちゃんは、事なかれ主義だからな?』
『桐生候補生……後で教官室へ来い』
『……あれー』
『あんたはいつも一言多いのよ。……おまえら全員帰れ!』
『ティア、あれ見て。ビデオカメラ、記録してるよ』
『え、嘘』
『……いえーい』
『あぁ、もう……』
モニターの中から聞こえてくる彼女たちの喧噪を聞きながら、はやては笑っていた。圧倒的だった。実戦経験が少なく未熟だったとは言え、『空
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