第三話 〜アスナが勧誘されるお話 前編【暁 Ver】
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と真っ直ぐ走り抜けた。その御陰で頑なだったティアは少しだけ丸くなったし、あたしはもっと自分の『身体』が好きになれた。彼女にはきっと──── 人を変える力があるんだ。
卒業と同時に辞めてしまったのは、ビックリした。もしかしたらもう一度、一緒に戦えるのかな。八神部隊長を見てると引き込みたい感じだけど。
食事を終えて二人と別れた八神はやては部隊長室へ戻る道すがら二人から聞いた彼女の事を考えていた。
『……そんなに気になるのでしたら資料を取り寄せてみてはどうですか? そうです、北部第四陸士訓練校です。はい、そうですね。あたし達の担当教官宛でいいと思います。教官の名前は、ヨハン・ゲヌイト。彼女の名前は、アスナです──── アスナ・桐生』
八神はやては部隊長室に戻ると、待ちきれないとばかりに自身の端末を立ち上げた。端末から軽やかな電子音が鳴ると、展開されたスクリーンへ『アスナ・桐生』の訓練校時代の資料が表示される。添付されている画像データの第一印象は『美少女』。白い肌と瞳の色が左右違うのも神秘的な印象だった。だが、どの画像データを見ても表情が均一で微妙に視線を合わせていないのが少々気にはなったが、ティアナの『変わり者』という発言を思い出して特に気にするべきではないと判断した──── この判断が後に甘かった事を知るのはもう少し先である。視線をパーソナルデータへと移す。
「身長164cm、B84、W57、H85……ティアナやスバルもそうやけど、15歳でこれかいな。神様は不公平やなぁ。血液型は、B型か」
女性としては長身だろう。少なくとも、なのはよりは高い。フェイトと変わらないだろうか。八神はやても決してスタイルが悪いわけではないのだが、六課メンバーはモデルのような容姿の持ち主が多い。八神はやては少々背が低いのが悩みの種で、密かに背の高い女性を羨ましく感じていた。彼女は何となく悲しい気分になりながら資料を読み進めていく。彼女はすでに除隊している為に辞めた時点のデータではあるが、八神はやてには十分だった。
「陸戦A……ティアナとスバルよりもワンランク上やな。魔法体系は近代ベルカ式で……あ、『騎士』で登録してるんやね。戦闘スタイルは『我流』の近接格闘術。ほんまスバルと似とるな。スバルはシューティングアーツやけど。特記事項? なんやろ」
シグナムから一人言が多くなりましたねと指摘されたことがあるが、その通りだと苦笑しながら資料を更に読み進めていく。
『1.完全魔法無効化能力』
彼女の意思に拘わらずありとあらゆる魔法事象を『魔力素』へと分解する。常時展開型であり、シールド系の魔法やバリアジャケットすら意味はない。当然、バインド系の魔法も彼女
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