第105話
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ネツィアがいがみ合っていたのは、もう何百年も前の話でございますよ?
今では世界的観光地として、ローマ正教が得る恩恵も少なくはないはず。
ここにきて急に壊す理由が想像もつかないのでございますが。」
そこで会話が止まる。
敵が何を考えているのか分からない。
誰もが自分の中で考えている。
敵の目的は何なのか、アドリア海の女王を使う意味は。
「何をうだうだ考えている。」
と、そこに麻生の声が聞こえた。
その場にいる全員が背中を向けて、暗い海を見つめる麻生に視線が集まる。
「今はそんな事を考えた所で意味はないだろう。
大事なのはこれからどうするかって事だろう。」
その言葉を聞いた上条は小さく笑って皆に言う。
「俺のやる事は一つ。
アニェーゼを助ける。
その後の事はアニェーゼを助けてからだ。」
「わ、私もシスター・アニェーゼを助けに行きます!」
「シスター・アンジェレネと意見は一緒です。
彼女を見捨てる事なんて私にはできません。」
「とうまが行くなら私も行くよ。
眼を離したら、とうまは凄く危険な事に巻き込まれそうだからね。」
「私も行くでございます。
キオッジアの街が破壊されるかもしれないこの状況で黙っていられません。
何より、私もアニェーゼさんを助けたいでございますよ。」
「たく、お前さんらが行くって言うのに我らが行かない、何て言えないよな。」
建宮の言葉に他の天草式のメンバーも頷く。
彼らの掲げるのはただ一つ。
今はいない女教皇様の教えだ。
それを確かめるように、建宮は自分の仲間に視線を向けて言った。
「我らが女教皇様から得た教えは?」
天草式十字凄教は意を揃えて大声で答えた。
「救われぬ者に救いの手を!!」
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