―急展開―
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ゾンビを吹き飛ばす。異世界に行っていた為に三沢はデス・ベルトを付けていないので、体力を吸い取られる心配は無いが……元々少なからず消耗している。
「計算結果は……」
「頭に入っているさ、問題ない」
赤鬼のソリッドビジョンが消えるとともに、デュエルゾンビが再び迫ってくる前にとりあえず廊下を走る。バイオハザードが起きたとはいえまだ少数のようだが、戻す方法が分からない以上後は増えていくだけだろう。
「どうなってんだか……三沢、心当たりはあるか?」
「……いや、初めての経験だ。誰かが《洗脳光線》か、《集団催眠》でも使ったのかもしれない」
罠カード《洗脳光線》・《集団催眠》。効果は詳しくは覚えていないが、確かエーリアンのサポートカードだったか。デュエルして敗北した者にAカウンターを乗せ、Aカウンターが乗ると《洗脳光線》か《集団催眠》によりデュエルゾンビになる……と考えれば、理には適っているかもしれない。
「遊矢、これからどうする……いや。君は決まっているな」
「流石は親友、解ってるじゃないか」
軽口を叩きながらもデュエルゾンビがいないかを確認して走るのを止めると、息を整えながら三沢とは違う道を前にした。未だあっちにはデュエルゾンビが見えない、行くならば今しかない……
「レイを助けに行く。悪いけどそっちは任せたぜ、三沢」
保健室で倒れているレイを助けに行かなくてはならない。重傷を負っているレイが動けるわけもなく、患者を見捨てて鮎川先生が逃げるわけもない。十代たちが薬を取って来るのを信じて、いつも妹分として元気づけてくれる彼女への恩返しといこう。
「ああ、他の生存者の救出は任せてくれ。体育館に集合させておく。……それと、こいつを渡しておく」
そうして三沢から渡されたのはがっしりとした通信機。見れば三沢も一個持っており、異世界でも使える連絡用の通信機なのだろうか。
「場所を行ってくれれば必ず駆けつける。……死ぬなよ、遊矢」
「……そっちこそな、三沢」
親友と顔を見合わせて頷き合うと、通信機をポケットにしまい込んで別々の方向に走っていく。度重なるデス・デュエルにより、疲労感が身体全体を支配しているが、それでも保健室へ向かって全速力で走り抜けていった。
三沢と別れて数分経ったものの、運良くデュエルゾンビには遭遇せずに走って来れた。この調子ならば、まだ保健室方面にはデュエルゾンビは来ていないのか……と考えていた時、廊下の向こうから野球ボールぐらいの大きさの物体が、俺に向かって飛来してくるのが横目で見えた。
三つの野球ボールを避けながら、飛んできた物体が何なのかを確認すると――
「――おジャマ三兄弟?」
野球ボールのような物体は万丈目の精霊のカ
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