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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第6話 「伊達に毎日走らせてはいないのだ!」
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わかってる!?」
「……………………っ」
「たんぽぽだって信じたいよ!? 敗走して逃げ帰った時、宦官のいやらしい視線から守ってくれた人だもん! でも、だからって…………やったことは別だもん!」
「っ! 董卓殿は、そんな卑劣なことはしない!」
「だからぁ! その証拠はどこにあるのさっ!」
「だ、大姫様、小姫様、落ち着い――」
「「 大『小』姫、言うな! 」」

 先程まで互いに喧々囂々だった二人の言葉がハモる。
 どちらも似たような顔に怒鳴られた老人は…………額を抑えて溜息をついた。

「では……馬孟起様、馬伯瞻(ばはくせん)様」
「たんぽぽ、字も嫌い! 普通に馬岱でいいよ!」
「どんたけ自分に好き嫌いが多いんだよ、お前は……」

 木格子越しの馬超が、自身の従姉妹の言葉に嘆息する。

「だって! 馬岱伯瞻なんて、なんか『馬体百銭』みたいでいやなんだもん!」
「なんだ、そりゃ……」
「…………はあ。では孟起様に馬岱様! これでよろしかろう! ともかく落ち着いてくだされ…………もう爺は、説得するのに疲れました。要件だけお伝えしてお暇したいと思います」
「あ、そうだった。あたしは――」
「孟起様については、出征なさらなくて結構です」
「いか――え?」

 木格子の中にいる馬超が、きょとんとした目で老人を見る。

「連合が董卓を討ち滅ぼすまで、ここで頭を冷やしていろ。これが寿成様――あなた方のお母上の言葉です」
「なっ!? じゃあ、連合への参加は見合わせ――」
「寿成様の義兄妹で在らせられる文約様……韓遂様は、寿成様に代わって五胡の対応に追われております。病の重い寿成様も連合への合流は無理。ですので……」
「お姉様の代わりに、たんぽぽが行くことになっちゃったんだよね〜」
「な、なんだって!?」

 愕然とした面持ちで馬岱を見る馬超。
 まさか、と思っていた。
 母の後継者たる自分さえゴネていれば、最悪涼州が董卓側につかずとも、連合への合流は防ぐことができる。
 そう思っていたのだ。

「たんぽぽだってさ〜そんな遠くへ行きたくないんだけど…………おば様と韓遂おじさまに頼まれたら、断りきれなくってさあ」
「お、お前が軍を率いて連合に合流!? 無理だ!」
「ひどっ!? た、たんぽぽだって、やればできるもんっ!」
「無理だ無理! ぜぇ〜ったいに、無理だ!」
「そんなことないもん! たんぽぽだって、ちゃんと指揮できるもん!」
「お前の指揮じゃ、まともに軍勢が動かせるもんか!」
「お、お姉様の脳筋指揮よりは、遥かに上手にできる自信があるよ!」
「なんだとっ!?」
「な〜にさ!」
「おやめなされ、お二方!」

 木格子越しに、今にも掴みかからん勢いの従兄弟同士に、老人がたまらず声を荒ら
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