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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百九話:対決の時
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今にも泣き出しそうに、瞳を潤ませるバネッサさん。
行動は強引に、態度だけはあくまで控えめに、という感じですね!
色々と押し付けがましいんだが、表面的な態度に騙されて絆される人は、確かに一定数いそう。
……ともかく!
明らかにヘンリーが嫌がって、苛立ってるのは確認できたし!
聞いた通りのバネッサさんの底の浅さを見るにこの先も望みは無さそうだし、可能性以前の問題としてお勧めしたいとも思えない、ヘンリーを任せるに足る女性では無いと判断しました!
よし、もう十分だ。
「ピエール。行ってくる」
「は。拙者は暫し様子を見た後に、先に戻っておりますゆえ。ご武運を」
「わかった。ありがとう」
ピエールをその場に残し、バネッサさんが死角に入る角度から近付いて、少し離れた場所から明るく声をかけます。
「ヘンリー!」
ヘンリーが振り向き、目を見開いて固まり、駆け寄る私をそのまま凝視して。
「……ドーラ?」
よし、吹き出さなかった。
それなりになんか衝撃は受けたっぽいが、上々だ。
最初の衝撃を乗り切れば、あとはなんとかなるだろう!
「なかなか戻ってこないから。迎えにきちゃった!」
にっこり微笑んで、タオル的な布を差し出します。
「風邪、引いちゃうから。とりあえず、汗。拭いて?あ、私が拭こうか?」
「……あ。……えっと」
「うん、拭いちゃうね!」
うむ、まだ衝撃から立ち直れていない模様。
ヘンリーが再起動するまで、勝手に恋人ぶっておくことにします!
ヘンリーの汗を拭きながら、心配そうに問いかけます。
「……昨日の夜は、遅かったって聞いたのに。今朝も、早かったんだね。大丈夫?疲れてない?……無理、しないでね?」
汗を拭いてる都合上、至近距離でヘンリーの顔を見上げる形になってますが。
小首を傾げてみた辺りで、そろそろ衝撃から立ち直ってきたらしく、ヘンリーが口を開きます。
「あー……、ドーラ。……その格好」
「これ?お世話になったお姉さんたちにやってもらったの!ヘンリーに、喜んでもらおうと思って!……変、かな?」
俯き加減になってから少し見上げ、不安そうに問いかけます。
あまりの少女趣味に中の人の歳を考えろ的なツッコミはあるかもしれないが、君のために恥を忍んで作り込んでもらったわけなので、空気読んでとりあえず褒めてくれ。
「……変じゃない」
「ほんと?良かった!」
「……可愛い、よ。……すごく」
「……ほんと?」
「ああ。可愛い」
「……ありがとう。……嬉しい」
よしよし。
よく言った、よく言った。
と内心でヘンリーに及第点を与えつつ恥じらう私と、見詰めるヘンリーが甘い空気
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