肉の晩餐会
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───その中人、いるよな?」
「ん……いる、よ……?」
ざわりと周りがいそいそとその段ボールから離れていく。
自分もアデーレと浅間さんに肩に手を置かれ、手をゆっくり握られて後ろに下げられる。
「シュ、シュウ君? ダイレクトに聞きますが───変質者ですか?」
「おいおい。最大の変質者がうちのクラスにいるのにこれくらいで騒ぐことねえだろ?」
「そりゃ該当者は大量に……ちょっと皆。一応、非常事態なんですから、視線で牽制していないでシリアス保ちましょうよぉ……」
真剣な雰囲気って長く続かないよねって思うけど、楽しい雰囲気がよく長く続くから結局、良い事かもしれないと思う。
でも、どうやらシュウ君はどうやら段ボールにいる人の事を知っているようだ。
誰なんだろう? という私の疑問に答えるように心底面倒だという口調で彼が段ボールに告げた。
「おい、ハク。いい加減出てきやがれ」
「───ばれましたか」
瞬間。
段ボールをそのまま突き破って人が飛び出た。
「ぬあああああああああああ!!?」
思わず、全員の流れに乗って段ボールから突き破った人間から一気に走って逃げた。
うわぁい、ナイちゃん。自分でも思ってたけど結構、ノリがいいなぁ……
いいなぁ、と最後に着くのに何故か人間的に駄目になっている気がする。
大丈夫、まだカースト最下位になっていないから大丈夫だよ。
中には走って逃げて、丁度いい距離が開いた人間はポーズを付けて振り返って
「何奴……!?」
とか叫んでいる変人がいる。
叫んだ後に逃げてくるメンバーにぶつかって倒れて、踏まれていたけど生命力は高そうだからきっと大丈夫だろう。
そうじゃなかったら知らない。
そして、距離が五メートルくらい離れて隣のガっちゃんと一緒に停止して後ろに振り返り構える。
出てきた人型は見た目自分達と同年齢くらいと思われる少年であった。
うちの制服をきっちり着こなしており、顔とかは上から目線風に言えばまぁまぁといった感じで、キリッとした表情が格好よさを与えているような気がする。
ガっちゃんは真面目な表情で既に横で絵をとっているようだから新刊に出るキャラは決定だね。
「毎度毎度奇怪な登場かますんじゃねえよハク。偶には趣向を変えねえとそこの売れねえ芸人みたいになっちまうぞ」
「おい、親友! 幾ら、親友でも言っていいことと悪いことがあるっていうのがあると思うんだけどそこら辺どうよ!? ほら、仮にも俺はお前より役職は上なんだぜ!?」
「うっわ、権力を利用してクラスメイトを見下すなんて……お前、芸人どころか人としてひどいんじゃね……?」
「くっそ、シュウ……オメェ……正論言えたのか!?」
「お前にだけは言
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