肉の晩餐会
[9/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
『こ、こら喜美! そこで胸を持ち上げてどうするつもりですの!? そんなにアデーレの心を抉ってどうするつもりですの!』
文字に関しても皆のテンションについていくだけで一苦労である。
皆、凄いなーと真面目に感心する。
自分じゃあんなにおかし……じゃなくて元気よく活動できない。
もっと自分も頑張った方が良いのかな? と何度も思っているのが最近の悩みである。
ただ、これについて父や母や浅間さんやネシンバラ君、シュウ君、"武蔵"さん達などに伝えると皆笑顔でそのままでいいって言われる。
浮かべる笑顔に慈愛と焦燥があるのはどうしてだろうか、と思ってたら
「あ、れ……?」
知覚に何かが引っ掛かった。
音鳴りさんと自分の知覚の反応の確かさを信用するのは鈴にとって普通に生活するためには必要不可欠の事である。
だから、鈴は自分が間違っているのではないかと言う思考は出来るだけ排除して、とりあえず知覚で感じた方に視線を向けた。
そちらにはシュウ君やトーリ君とかが騒いでいる焼肉宴会場の中央近くであり、それこそあるのはお皿とかコップとか茶碗とか段ボールとかであって
……段ボール?
何故、段ボールがあるのだろうか?
いや、段ボール自体があるのはいい。現に紙皿や紙コップなどを入れていたり、ゴミ入れとして使うのに幾つか使っているし、周りにもある。
問題はその段ボールの封がまったく開いていないことである。
ここにあるのは全部使っているものである。だから、普通ならこれは封が開いていなければいけないのだ。なのに、あのダンボールだけ封が閉じている。
そして、その理由を鈴は気づいた。
すると、周りの皆も私の視線に気づいたのか、そのダンボールの方に視線を向けている。
「……さっきまでなかったわよね、その段ボール? 一応、聞くけどあんたらの誰かの仕業じゃないでしょうね」
「小生達は予備のお皿とかはそんな中央に置いたりしていませんし、小生達が持ってきた段ボールとそれ。少々違いますね」
「先に聞くが犯人いるなら手を挙げてみろ」
「セージュン! セージュン! 俺が言うのも何だけど、オメェ、本当に適応力高ぇな!」
それで時々手を挙げる人がいる時もあるけど、それってうちのクラスだけの個性なのかな……?
自分達の個性と聞くとちょっとだけ嬉しくなるのはいいことなのだろうか?
思わず、ちょっと口が微笑の形に変わりそうになるのを我慢我慢。
そうしていると
「あ〜……鈴。一応、聞きたいことがあるんだけどよ……」
困った顔というか呆れた顔というか、それらをミックスさせたような顔でシュウ君が声をかけてきたので、その声色に珍しい? と思いながら返事する。
「え、と……何……?」
「Jud.
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ