肉の晩餐会
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苦笑する。
「色々と面倒ですよ? 通神帯を使っているだけでも勝手に生徒会の情報を流そうとしたりしますし、さっきも間違って泣き系エロゲを勝手に生徒会当てに発注してしまったりで。まぁ、あっちには毒見役のウルキアガ君と浅間君がいるから心配はしていないんですけど、代わりの僕の財布が軽くなってしまって、どっちかというと遠回りな自殺をしている気分がしてきて不思議な状況です……」
「洒落てるねぇ……でも、その口調から察すると通神帯だけじゃなさそうだけど?」
「……jud.授業中にちょっと」
ちょっと? と返される言葉に肩をすくめる。
「コークスペンをナイフで削っているつもりだったんですが、何時の間にか葵君の方に投げようとしてて……」
「自分で止めたの?」
「いえ……槍本多君と熱田君が……それでまぁ……その……近づいてきた熱田君に対しても……その……」
言い淀んだ自分に学長先生は一瞬、眉をひそめたが、数瞬後に理解を得たという顔をしたら顔の形を変えた。
苦笑の形に。
ああ、これは見破られてるなぁと諦めにも似たような感情を息に宿しながら会話を続ける。
「それ? 本人は?」
「いやー……本人は茶化すだけで……馬鹿ですけど、頭が悪くないのが彼の特徴なのに、そういった事だけ鈍感なんですよ」
「気づいているだけで、本人が嫌がっているだけなんじゃない?」
「本人は引っ張る素質はないって言い張ってますからその可能性も無くはないですね……」
聞いた話では輸送艦の混乱状態を指示したのは彼だという。
リーダー気質を持っているくせに、自分にはそれは合わないと思っている。面倒なことに自虐とかじゃなくて本気に。
まぁ、自分本位で求道的素質もあるのは事実だが、別にリーダー気質をそこまで否定しなくていいだろうに。
頭を使うようなのはどうせ僕や政治系の本多君に任せる癖に……
そこまで考えて、気付いた。
こんな風にテンションが上がっていないくせに、まだ自分は彼らの軍師として動こうとしているようだ。
往生際が悪いというのか、ただの現実逃避か。
それもそうか。
「まぁ、だから出来る限り葵君と熱田君に近づかないようにはしているんですけど……家にいれば今度は自分の批判とかをつい通神帯で見ちゃって……じゃあ、それに捉われずに執筆をしようかと思うと被害妄想ばかり浮かんで……酒井学長はどんな風にしていたんですか? 現役の時は」
「俺かい? 現役の頃は今みたいに通神帯はここまで発達していなかったからね。それこそ、現役の熱田とかに聞いたらどうだい? あいつ、結構、嫌われ者でしょ」
「……まぁ、あんまり噂はよくないですよね」
実際は嫌われ者の嫌われ者なのだが。
格好つけたりするから
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