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不可能男との約束
肉の晩餐会
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に出会ってんだけど」

「そういう意味なら酒井学長は消えませんねぇ……まぁ、情報少ない中で僕が整理した中で推理したものですから絶対とは言えませんが酒井学長、かなり死亡フラグを持っていそうなんですが」

「おいおい……そんな事を言ったら襲名者自体が死亡フラグみたいなもんだ」

そういえばそうだった。
襲名者の人からそんな微妙な事を言われると、どうかなぁ、って思ってしまう。ちゃんと往生した人物ならともかく昔の、それも戦国時代の武将関係なら大抵早死にだ。
病死、戦死、自害など死に方は大抵、報われない方が多いのが英雄の業と言うべきか。
そういえば、学長が襲名した酒井・忠次は隠居して最後は普通の死去であったとか。まぁ、そこら辺は今はどうでもいい事だろう。

「まぁ、そこら辺は調べ続けてくれると俺は嬉しいんだけどね? 年取りすぎたせいで、そういう今の方法とかには疎くてねぇ」

「酒井学長は自己分析を盾に人を働かせるのが上手いですね……Jud.と他人事ではないのでそう素直に答えたいのですが……」

苦笑を浮かべながら包帯を巻いている右腕を持ち上げ、空にかざす。
大仰な仕草をして浸る自分に酔っているな、と内心で更に苦笑を深める。別に僕はシェイクスピアみたいに演技までする人間ではないのだけどと思いつつ

「このマクベスをどうにかしないと……満足に調べ物も出来ない状態ですからねぇ……」




「ふぅん……現代風の呪いはそんなに厳しいわけ? 古い世代の俺とかはそこら辺、ぴんと来なくてね」

「Jud.。まぁ、厳しいって言うより面倒って言うか危険って言うか」

「ふぅん……そこら辺、熱田にそれこそ聞いてみたらどうよ? 馬鹿だけどあれでも神社の代理神っていう神道での偉い立場でしょ? 昔、俺も熱田の連中に歌唱祓いで祓って貰ったことがあるけど」

「本人に頼んだら「任せろ───呪いごとぶった斬ってやんよ。大丈夫大丈夫! 痛くしねえ! 痛くしねえって!  ただ暫く生活が不便になるだけだからよぉ」などとほざいてきたので丁重に断りました」

「ってぇ事は無理だったって事ね」

でしょうね、と溜息を吐きながら同意する。
断り方が何故、そこまでネタに走るのだと思うが本人が言っているのは遠回しに無理だと叫んでいるだけの内容である。
無駄に元気が特徴なのが剣神の特徴なのか、馬鹿の特徴なのか。絶対に後者だと思うが。
ああ、だからクラス全員、元気過ぎるのか。
向井君がいなくなったら、梅組はどうなってしまうやら。政治系の本多君も最初はまともだったが、既に駄目な予兆が出ているのに悲しむべきか、慄くべきか。悩みどころである。

「で? 最近の洒落た呪いはどんなんなの?」

「Jud.不始末な右手が勝手に王を害そうとするんですよ」
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