第153話 仇
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パ、パンジー・・・い、今、なんて・・・」
パ「ヒック、ヒッ・・ユリ、お姉ちゃん、が・・・ヒッ・・死んじゃったの・・・ビェェェェェェェェェェンッ!!」
さっきよりもでかい声でパンジーが泣き崩れる。自分でも分かった。パンジーを抱えている両手が震えているのを・・・俺はアカネ達を見つめる。皆真っ赤になった瞳で俺を見つめるとゆっくり頷いた。
リョ「ユ・・ユリが・・・死んだ・・・・?な、何で・・・?」
戸惑いながら問うと、
ア「そ、それが・・・わ、私達にも・・分からないんどす・・・2週間程前に、ユ、ユリが1人で、修行の為に・・・『花錦剣』を持って、あそこの・・ヨモギ山に行ったんどす・・・・」
アカネが指で涙を拭いながらヨモギ山を指差す。
ア「修行の時間は1人2時間と決めているはずなのに・・・3時間も、4時間も、5時間経っても、ユリは帰って来なかったんどす・・・」
アカネがそこまで説明すると、パンジーが俺の着物の裾をギュッと?む。ナデシコは拳を硬く握り締め、サクラは両耳を塞ぎ、スミレは自分の肩を抱いてその場にうずくまる。この先の話は聞きたくないんだろう。
リョ「そ、それで・・・」
ナデシコ達には悪いが、俺は恐る恐る聞いてみた。
ア「み、皆で、ヨモギ山に行って・・・ユリを、捜しました。そ、そしたら・・・サクラが、杉の木の根元に・・よ、寄り掛かって・・・血を、流している、ユリ・・・を見つけたんどす・・・・!」
サ「イヤアアァァアアアァァァアアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
サクラが悲鳴を上げてその場にうずくまる。
ア「も、もう・・・サクラが駆けつけた時には、す、すでに、ユリは、息を、していなかった、どす・・・・」
リョ「・・・・・」
俺の頭の中は思考が完全に止まって真っ白になり、言葉を失い、開いた口が塞がらなくなっていた。まるで、『時』が止まったみたいだった・・・
ア「・・・この事を、リョウ様に、お伝えしようと・・・手紙を出したんどす・・・・」
俺はまだ今までの話を全て信じる事が出来なかった。そして俺は何かに弾かれたようにアカネに詰め寄ると、
リョ「か、『花錦剣』は・・・!?ユリの聖剣はっ!!?」
そして予期せぬ言葉がアカネの口から語られた。
ア「聖剣は・・・ユリの、『花錦剣』は・・・どこにも、無かったどす・・・」
リョ「・・・え・・・・?」
ア「ヨ、ヨモギ山全てを、くま
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