第103話
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五和が通信魔術を組み上げ、建宮に連絡を入れる。
天草式は日常動作に残された僅かな宗教的要素を拾い出し、何十回と重ねる事で魔術を発動させるという独特の方法で魔術を発動させる。
五和はそこら辺に落ちている瓦礫やポケットからティッシュなどを取り出し、術式を組み上げる。
連絡を取った後、建宮達とはすぐに合流する事ができた。
何でも彼らの方でも街に異常事態が起きている事に気がつき、向かっていたらしい。
建宮達と合流した麻生達は人が集まりつつあるので、場所を変える事にする。
あの場所に人が集まっているおかげか、場所を少し離れると人が少なくなる。
それを確認してからインデックスは言う。
「まず、状況を説明するね。
あの運河の道を破壊したのは「アドリア海の女王」の補佐する「女王艦隊」によるものだよ。」
インデックスの言葉を聞いた天草式のメンバー全員は驚いた顔をする。
「おい、「女王艦隊」ってなんだ?」
皆が驚いている理由が分からない麻生は五和に説明を求める。
「「女王艦隊」というのはアドリア海の監視の為に作られた艦隊です。
星空や風、海面などからデータを採取して、それらからアドリア海のどこでどれくらいの魔力が使われているかを調べるのが目的です。」
「採取が目的なのにそんなに大きくする必要があるのか?」
「あれが作られたのは数百年前、アドリア海の治安が危ぶまれていた時代です。
艦隊のように大きくしないとすぐに沈められてしまう可能性があるので、その大きさが今に伝わっているのです。」
「んじゃあ、「アドリア海の女王」は?」
「昔、ヴェネツィアは塩や交易品で莫大な富を得ました。
一方でフランクやジェノバといった大国からの侵略を幾度となく防ぎ、パトヴァやキオッジアなど周辺都市国家を次々と制圧していくだけの軍事力を誇っていました。
ローマ正教の本拠地、教皇領からそう遠くもなく、なおかつその支配を受けない海洋の強国として君臨したのです。
いつ自分達に牙を剥くか分からない都市国家を放っておくわけにはいきません。
そこで、ローマ正教はヴェネツィアに巨大な艦隊術式を贈りました。」
それが・・・・」
「「アドリア海の女王」。
なるほど、それは対ヴェネツィア用に作られた、特殊な巨大艦隊という事か。」
想像以上に大事な事件になりつつあることを再認識した麻生はため息を吐いた。
そのため息を無視して話は進んでいく。
「でも、あの「女王艦隊」はどうしてオルソラ嬢とあいつを襲ったんだ?」
「それは当麻と天草式とオルソラが一緒に行動していたからだろう。」
「それが理由だとしてもおかしくないか?
我らとオルソラ嬢は同じイギリス清教、あいつに関してはイギリス清教でも何でも・・
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