第103話
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「これは上下艦ってヤツよ。
外に出した帆船を囮にしつつ、我らは水中深くから接近するよな。」
そう言って、建宮はどこから出したのか、フランベルジェを片手に持ち待機する。
他の天草式もそれぞれ武器を持ちながら各々自由に行動していた。
艦隊に近づくのに時間がかかるのだろう、と麻生は勝手に考え、近くの壁に背中を預ける。
インデックスは上条は心配なのかソワソワ、と落ち着きがない。
すると、麻生は多くの視線を感じた。
周りを見ると、建宮と五和を除く天草式のメンバーが麻生の事をじ〜、っと見つめていた。
そして、ひそひそと話し声が聞こえる。
「あれが教皇代理が頼りにしていると言っていた御仁か。
見た目は普通の人間に見えるが。」
「あなたはオルソラ様救出作戦に参加していなかったから、そんな事が言えるのよ。」
「そうだぞ、彼一人で二五〇名の戦闘シスターを壊滅させたのだぞ。」
「我らがどれだけ助けられたか分からない。」
「噂では女教皇様もあの方に完敗して、さらにはもっとも頼りにしているとか。」
「なるほど、五和が惚れるのも無理はない。」
「五和は死に際に颯爽と助けてくれたらしいぞ。」
「絵に描いたような王子様みたいね。
少し羨ましいかも。」
「何でも女教皇様も彼の事を好いているとか。」
「それは初耳だな。
女教皇様には悪いが我らは五和を応援するぞ。」
最後の辺りはよく聞こえなかったが、麻生の事について話しているようだ。
「お前達は俺に何か用があるのか?」
麻生が訪ねると、彼らは一斉に首を横に振り各々散らばる。
少し居ずらい雰囲気を感じた麻生は、壁に背中を預ける。
その時、船が大きく揺れた。
突然の揺れにその場いる全員が少し驚く。
「大丈夫よな。
おそらく、艦隊が囮の船に気がついて攻撃しているんだろうな。
我らも気がつかれる前に接近するぞ。」
「そういえば、接近するのはいいがその後はどうするんだ?」
「そんなの考えてないよな。
当たって砕けろ!!」
「おい、待て。
その選択は間違いなくアウトだぞ。」
麻生が建宮を止めようとした時、一段と船が揺れる。
それに合わせて、慌てた天草式の男が一人近づいてくる。
「教皇代理!
艦隊が別の艦隊を攻撃しています!」
「何だと!?
それはどういう事よな!?」
「わ、分かりません。
ですが、艦隊の残骸が海に沈んでいくのを感知しています。」
「どういう事よな?」
敵の艦隊を見つけ、それを攻撃するのなら分かる。
だが、味方の艦隊を攻撃する意味が全くない。
むしろ、デメリットしかない。
建宮は
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