第103話
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・・」
建宮はそこまで言うと、何かに気がついたらしい。
その建宮が気がついた事を麻生が言う。
「そう、お前達は「法の書」の一件でローマ正教からマークされている筈だ。
加えて、当麻。
あいつは何度もローマ正教の企みを潰してきた。
これらが集まれば警戒するなというのも無理な話だ。
だが、それらは警戒だけで済むのにわざわざ攻撃してきた。
これらが意味するのは何か分かるか?」
「ローマ正教は何かを企んでいる。
だから、我らを見てその企みを潰されると勘違いして攻撃してきたという訳よな。」
「そう、何を企んでいるか分からないが、ロクな事ではないだろうな。
それでこれからどうする?」
麻生はその場にいる全員に問い掛ける。
相手は艦隊と言うのだから一隻だけではない筈だ。
不用意に使づけば、艦隊全部から攻撃を受ける可能性もある。
それでも、建宮はニヤリ、笑みを浮かべて言った。
「そんなの確認するまでもないよな。
助けに行く、それだけよな。」
建宮は後ろにいる天草式のメンバーに視線を送る。
その視線を見た天草式のメンバーは頷く。
麻生はそれを見て、二度目のため息を吐いて言う。
「どうせ、俺もついて行かないと駄目なんだろう?」
「乗りかかった船よな。
それにお前さんがいてくれるだけでかなり心強いよな。」
麻生の肩をばしばし、と叩いて天草式はアドリア海に向かって歩き出す。
麻生とインデックスもそれについて行く。
少し歩いて、一番近い海辺に着く。
「それでここからどうするんだ?
まさか、潜って行くとか言わないよな?」
「そんな事をする訳ないよな。」
建宮はポケットから輪ゴムで束ねた紙束を取り出す。
その中の一枚を引き、海に投げる。
紙は海面に落ちると、ドン!!、と水分によって膨張した紙切れが、大量の木材を生み一つの船が作り上がる。
全長三〇メートル、全幅八メートルほどの、ラグビーボールのような船ができあがる。
「これで「女王艦隊」に近づくよな。
おそらく、サーチ術式を発動してあるから囮も作る必要もあるよな。」
そう言って、他の紙束に巻いてある輪ゴムを外し、一気に海面に投げ捨てる。
それらも海面に落ちると、ドン!!、と水分によって膨張して、長さ三〇メートル、幅は七メートル、高さは帆を入れて二〇メートル弱の帆船ができあがる。
一隻二隻ではなく数十もの帆船が海面に並ぶ。
「こいつらでかき回しながら、オルソラ嬢達を救出しに向かうよな。
それじゃあ、皆はこの船に乗り込んでくれ。」
麻生達はラグビーボール型の船に乗り込む。
全員が乗り込むと、翼のように広がっていた木材が船を覆う。
完全に覆い被さると、船は動き始める。
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