流星
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みに、花月壮に帰った皆を待っていたのは千冬の拳骨と、反省文。そして、滅多に言うことのない千冬の賞賛の言葉だった。
その日の夜。
「ぐあー……つ・か・れ・た!!」
響は花月壮の露天風呂にて岩に背を預けながら大きく体を伸ばす。
「お疲れ様でした、響さん。それよりも……」
「傷の方か? 心配いらねぇよもう全部直ってるし」
セシリアに対し体が全快しているところを見せるため、響は腕を回してみる。
「まったくアンタどういう体してるわけ?」
「知るか。まぁ直ったもんは直ったんだからいいじゃねぇか」
鈴音の問いに面倒くさそうに答えながら響は空を見上げる。
空には夢の中で出てきたような満点の星空と、まん丸な月が浮かんでいる。
「そういえば響? 夜天月はどうして急に戻っちゃったの?」
「んー? 多分無理のさせすぎじゃねぇかな。山田先生に渡してあるし、明日ぐらいにゃわかるだろ」
「そういえば、夜天月は若干形が変わっていたがアレはどういうことだ?」
ラウラの問いに対し、響は若干顔を引きつらせつつ、
「……それ、いわねぇとダメ?」
「「「「「うん」」」」」
有無を言わさず場にいた全員が綺麗に頷いた。それにもう一度大きく息を吐いた響は告げる。
「あれはまぁ……夜天月の展開装甲だ」
「え? でも篠ノ之博士は――」
「篠ノ之の紅椿にしか付いていないとは言ってなかったぜ? だからあるかと思ったらあったってだけ」
「誰に教えてもらったの? やっぱり篠ノ之博士?」
「……まぁそんなところだ」
響は言葉を濁しながら答えた。
……実際、夜天月に教えてもらったなんていったらこいつ等がどんな反応するかわかったもんじゃねぇからな。
「そういや篠ノ之――あーまどろっこしい! 箒の姿が見えねぇがどっかいったのか?」
「そういえばそうですわね……」
皆が露天風呂を見渡すが、何処にも箒の姿はなかった。
すると何かを感じ取ったような鈴音が、
「あたし先に上がるわ。あんたらはゆっくりしてなさいな」
鈴音はそのまま、振り返ることなくスタスタと脱衣所に向かいどこかに駆けて行った。
「なんだ? あいつ」
全員が首をかしげていると、海のほうから衝撃音がひびいた。
皆何事かと外を見ようとするが、その後聞こえてきた一夏の叫び声を聞いた一同は、わかりきったように湯船につかりなおした。
「戦いが終わったばっかだってのに、アイツも大変だねぇ」
しみじみといった様子で響が呟くと、皆もそれに深く頷いた。
深夜。
砂浜に浴衣姿の響が佇んでいた。すると
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